「予測不能な奇人」トム・ブラウンみちおとランジャタイ伊藤の深層心理を分析(刺さルール!)

トム・ブラウンみちお

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『刺さルール!』(6月20日放送)

芸人の相方をシャッフルして街ブラロケをする『ドリーム珍道中』なる偽番組で、「予測不能な奇人」のトム・ブラウンみちおとランジャタイ伊藤の言動をもとに専門家が深層心理を分析するという企画。このふたりだとみちおが仕切り役になるのがおもしろい。「初めての演出」だというディレクターの変な要求に対して、ふたりとも優しいのが印象的だった。

本番前の控室で相手の肌に触れることが多いみちおが「自分と他者の区別がついてない」と分析され、足を広げたり恥ずかしそうにしていた。さすがにこれは否定すると思いきや、みちおの「生まれてから今までの中で、一番図星の、核心を突かれた気がする」という反応が興味深かった。

一方、伊藤は初対面なのに「久しぶり」と知り合いを装う仕込みのおじさんに対し、「LINE交換しましょ」という反応を見せ、「つながり欲求」があるという。そして、みちおはそのおじさんの胸ポケットに突然現金を入れ始める奇行。これを「自己顕示欲の表れ」だと分析され、今度は「ボケだって!(笑)」と反論するみちお。

『特殊な訓練受けてますので!』(6月15日放送)

特殊な訓練を受けた芸人が自ら考案した過酷なロケに挑戦する番組。

「20枚の瓦を山のテッペンまで運び 一撃で全部割る男」に挑戦して、どんどん瓦を減らしてグダグダになるネルソンズ和田まんじゅうも、極度の怖がりなのに「心霊スポットでドミノ倒しを完成させる男」に挑戦するスタンダップコーギー奥村うどんも、「日常で突然襲われても真剣白刃取りを決める男」であっさり成功させてしまうみなみかわもおもしろかったが、特筆すべき活躍を見せたのがケビンスの山口コンボイ。

彼が挑戦したのが「ナートゥダンスを踊りながら巨大扇風機を通り過ぎる男」。以前『メガホン二郎』で習得したナートゥダンスを使い、トラックを横転させるほどの強風に挑む。「余裕っすよ!」と言って、踊りながら強風エリアに入ると一瞬で吹き飛ばされ池に落ちるさまがおもしろい。

「これ見てこいつ動けるな、いろんなことに挑戦させてみたいなってなるようにがんばります」と言いつつ、何度も何度も池に落ちる、その落ちざまが見事。「僕もちょっと嫉妬しました」とアンガールズ田中も絶賛し、「出川さんとかが観てたら悔しいと思う。『ジェラだよ~』って(笑)」。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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