テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。
『ロンドンハーツ』(5月23日放送)
「格付けしあう売れっ子たち」、今回のテーマは「18から40歳の一般男性に聞いた、今好きな芸人」。同性、しかもお笑いの部分という、芸人にとって逃げ場のないストレートなテーマにヒリヒリする。
前編では、芸人自身が予想するパート。予想を発表したのはマヂラブ野田。
野田は1位に自分を挙げる。その理由を、ラジオがあるから有利だと力説。「男性ファンにまず言われるのは『ラジオ聴いてます』」だと。しかもその内容は「『ジャンプ』・ゲーム・筋トレ」。この世代の男性に刺さる話題だと。
みなみかわ、平子、芝も1位に野田を選び、そのほかの人も全員上位に予想。平子「男ってみんな野田になりたい」。
同じようにラジオリスナーを持っている人を上位に選んだという野田は、2位に小宮、3位に平子を予想。平子をその中で低く評価したのは「ムダに愛妻家な部分を出しているのが癪(しゃく)に障るのかな」と思ったから。コアな支持層に愛妻家は不評なのではないかと予想する。
5位を予想した芝に対しては「俺個人で言ったら芝は1位。芸人界で一番カッコいい」と評価しつつ、「ともしげを制御できてない」ことがマイナスポイントだと。
ワースト3位にはみなみかわ。その理由を、野田「一番得意分野。これ以上票が集まるテーマはない。で、8位(笑)」。
実質最下位だというワースト2位に、さや香・新山。自分と正反対なタイプの新山に「これに関しては願望です。お前は男に好かれてほしくない」と言い放つ。
そしてワースト1位はジャンポケ太田。嫌われる要素も好かれる要素もない「無味無臭」だから「『太田のことを好きですか』って質問をするな」と枠外扱い。太田「食らったことないパンチで戸惑ってる(笑)」。
「予想」というかたちを取りつつも、野田のしっかり軸が通った理論的な芸人評は聞き応えがあって興味深かった。
『私のバカせまい史』(5月25日放送)
バカリズムがプレゼンしたのは「エイプリルフールに嘘をつく芸能人史」。
2000年代後半、SNSが生まれたことで革命が起きたエイプリルフール。ブログでおそらく最初に嘘をついたのは、2006年の中川翔子。以降、約500人近くが嘘をついているという。その職業比の円グラフを出してくるのが、この番組&バカリズムらしい。
「やはりアイドルが一番多い」と、「やはり」と粒立て毒っ気を盛り込むバカリズム。「固定ファンを持っている方が、ファンサービスとして嘘をつく」と。
嘘のジャンル、時間帯なども円グラフ化。嘘の推移を見てみると、2016年をピークに衰退していっているのがわかる。
その理由として「炎上」「アンチ・エイプリルフールの増加」「ネタ切れ」を挙げ、ネタ切れした代表的な芸能人として、宮地真緒の嘘の歴史を辿るのがおもしろい。彼女がいかにエイプリルフールに向き合っていたか、その生まじめさに愛おしくなる。
対して「いい感じに力の抜けたセンスあふれる嘘」をつきつづけている浅野忠信を「Mr.エイプリルフール」に認定。彼のように「引退+バカバカしい理由」といった「嘘のフォーマット化」をすればネタ切れしにくいと分析する。
ここまででもじゅうぶんおもしろかったが、今回特によかったのがエピローグ的な話。実は今回、「今までで一番許可が取れなかった調査」で使用許可が出なかったのが52人にものぼったそう。
ミュージシャンの嘘の例で西川貴教だけが何度も紹介されたが、それは狙い撃ちしたのではなく、西川貴教だけが使用許可をくれたためだという。
そこからバカリズムが結論づけた、エイプリルフールが衰退している“真の理由”が見事なオチになっていて美しかった。
まさにバカリズムの単独ライブの1本のネタのような完成度。終始、小バカにする毒っ気も漂っていて、バカリズムの真骨頂だった。
-
【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)
毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。
関連記事
-
-
「奪われたものは取り返すつもりで生きていく」FINLANDSが4年ぶりのアルバムで伝える、新たな怒りと恥じらい
FINLANDS『HAS』:PR -
牧場バイトからアイドルへ、かてぃが歩んだ多彩な仕事遍歴
求人ボックス:PR