イワクラの“恋の始まりのような話”に、ノブ「ぜんぜんノロケみたいには聞こえなかった」(チャンスの時間)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『チャンスの時間』(5月7日放送)

感動的なトークのあとに変顔をする名企画「いい話をした後に全力で変顔をする晩餐会」の第3回。今回挑戦するのは大鶴肥満、すがちゃん最高No.1、ビスブラ原田、GAG福井、蛙亭イワクラ、みなみかわ、そして大悟。

「僕とこの回がマッチして『チャンスの時間』おめでとうございます」と自信満々のすがちゃんは、酒・女・タバコを愛する昔気質の父親の話。3歳のときに母が亡くなり父に育てられたというすがちゃん。その父は「カッコつけ」で、ガンに冒されてもなお、自由にカッコつけて生き、入院したあともカッコつけを貫き、息子に贈った最期のひと言もカッコいい。ゲストの高橋ユウが号泣するほどのいい話で、トークは全員が満点をつけるも肝心の変顔が不発。「クソーッ!」「今、親父が一番怒ってる」とノブと大悟は酷評。大悟「天下獲る人間のトークしたあとに天下獲らない男の顔をした(笑)」。

イワクラは、初めて『アメトーーク!』に出演したときの話。収録で手応えがあったため、当時のルームシェアのメンバーと一緒に放送を観たという。放送後、スマホの通知が鳴りやまない。「相方に対してあんなひどいことを言うのはあり得ない」「二度とテレビ出るな」などといった辛辣なDMが送られてきて、体に力が入らなくなって部屋に閉じこもり、もうテレビに出るのをやめようとまで思い詰めたそう。そのとき、オズワルド伊藤が「話したいなら聞くし、話したくないならそっとしておくから」と入ってきて「お前がおもしろくないと思ってるやつにおもしろくないって言われてもいいじゃん。俺はお前のことおもしろいと思ってるから。一緒にテレビいっぱい出て金稼ぐぞ」と言ってくれたと。「ふたりの恋の始まりのような話ですけど、ぜんぜんノロケみたいには聞こえなかった」とノブが言うように、話も素晴らしく変顔も見たことのないタイプのもので高得点。

もちろん、いい話と変顔のギャップを楽しむ企画だが、変顔というエクスキューズがあるから普段芸人が話さないいい話が聞けるのがとてもいい。

『キョコロヒー』(5月8日放送)

なにかと話の腰を折ってしまう京子が聞き上手を目指す「脱・話の腰折り女」では、サウナ好きの人が「人生損してる」などと言うことに対して「ごく一部の人がスゴい押しつけてくる、ととのってない人たちがいる」と批判していたふたりに「プロサウナー」のととのえ親方と元・熱波師のティモンディ高岸がサウナの魅力をプレゼン。ヒコロヒー「安い面々ですね(笑)」。

「『ととのう』なんてかたちが、ととのう以外聞いたことがない」という京子らに、今まで1000人以上ととのわせてきたというととのえ親方がそもそも「ととのう」というのがどういう状態なのかを解説。高岸が「一番気持ちいいと思う体温の感じ」になることと補足すると「おもしろそう」と前のめりになり始める京子。しかし、解説VTRの最後に親方が「サウナ終わったあとのビール知らないヤツ損してる」と言ったことに対しヒコロヒー「そういうとこなんですよ!」。

最後にサウナを今後趣味としてやっていくかをふたりで判定。ヒコロヒーは「どうにも高岸くんがペテン顔」と「しません」の札を上げたのに対し、「このコーナー初めて趣旨と外れたことずっとしてて……」と今回、話の腰を折らずに興味深げに話を聞いていた京子は初めて「します」の札を上げる。ヒコロヒー「このコーナーだけじゃない(笑)」。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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