タモリ・日村・バカリズムも“シモキタ”で夢を見た?今明かされる『トツギーノ』の原型(ウォーキングのひむ太郎)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『ウォーキングのひむ太郎』(4月25日放送)

「ヒデ」ことバカリズムと一緒に若き日を過ごした明大前~下北沢~経堂を歩く後編。今回は下北沢から。

日村が下北沢に住んでいたのは29歳ごろから。テレビに出始め、芸人人生の「第2章」に入った時期。一方のバカリズムは「誰よりも金がなかった」時代だという。下北沢の風景と思い出が重なり「うわー」という声が止まらないふたり。

このころ、バカリズムは経堂に移り住む。経堂を選んだのは「経堂よりも先に住んだらお前とは連絡取らない」と日村に言われたから。

当時、日村には「これからテレビに出ようという芸人が、経堂より(都心から)向こうに住んではいけない」という譲れない信念があったそう。

そんな経堂に足を踏み入れると「どん底の一番金のない時期に住んでいたから、ちょっと憂鬱になる」とバカリズム。日村の生活レベルについていくのが大変だったという。

「この道を歩きながら30歳の誕生日を迎えた」と、当時住んでいたアパートの近くの道でしみじみと語るバカリズム。

「コンビ解散した翌日が誕生日だから、一回ゼロになった状態で30歳を迎えたんです。そのとき、この感触を残しておこうってメモしたんですよ」と述懐する。なんだか胸が締めつけられる。

そのバカリズムがどん底を脱するきっかけとなった『トツギーノ』は、日村と遊んでいたときの会話が“原型”だそう。

「日村さんと遊んでるときに『カエリーノ』って言ってたんです。『これからどうする?』ってときに『〇〇しーの、〇〇しーの、カエリーノ』って言ってたのをネタにして、そっから『トツギーノ』になった」と。

さらにドラマの脚本でも、日村との日々が活かされているという。「『よく女の子の気持ち書けますね』って言われるけど、俺は別に男同士でああいう話してたから」と笑う。

日村「ほんと不思議だよ、ヒデは。本人はいろいろと、それこそ“ブラッシュアップ”したんだろうけど……。俺からすると、あのまんま、姿も変わらないまま、ただ同じことやってる。けど、ステージがでかいっていう」。

この日、歩いたのは、11834歩。バカリズム「それまでの歩数がとんでもない歩数ですからね。1万歩の前に歩んだ20年以上がね」。

『ブラタモリ』(4月22日放送)

「なぜ若者は“シモキタ”で夢を見る?」と題して、下北沢を探索。タモリは、下北沢に来るのは30年ぶりで、小田急線が地下に潜ってからは初めてだという。

まず古着屋が増え、70年代にはライブハウスやロックバーが誕生。80年代に劇場がオープンしていき、若者の街になっていったそう。

だが、意外にも江戸時代はお灸が有名で高齢者の街だったとか、新宿・渋谷に1本で行けるようになったふたつの路線が敷かれたのは下北沢の地形が大きく関係していたとか、『ブラタモリ』らしい掘り下げ方が興味深い。

オープニングでは「学生のときは(下北沢に)何度か来たんですけど、私はあんまり夢見ていなかったですね(笑)。ただ飲んでただけ」と言っていたタモリ。

だが、終盤には「実は俺、このちょっと先に2年くらい住んでたことがあるんだよ」と、32歳くらいのころ、下北沢駅の隣の世田谷代田駅近くの「線路のすぐ横」、つまりは“シモキタ”エリアに住んでいたことがあると明かす。

タモリ「サンカツ酒店っていうのがあって、そこに欽ちゃんの事務所があった。で、キャンディーズのミキちゃんがこのへんに住んでたの。それで(自分を含めた)3人がタクシーを呼ぶんですよ。同時に並んでて、それぞれ挨拶しながら別の方向に行った(笑)」。

実際、サンカツ酒店は今もあり、その近くのタモリが住んでいたマンションに立ち寄る一行。「懐かしいねぇ、でも変わったねぇ」と目を細めるタモリ。「私、ここで夢を見てました(笑)」。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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