かが屋・加賀&放送作家・白武ときおの【エロ自由律俳句|第9回前編】5度目のゲストはバキ童こと春とヒコーキ・ぐんぴぃ!



白武の5句

【白武の句①】
はしご酒をするかもしれない予定

コロナ禍の3年間、けっこうまじめに外を出歩かないようにしてたんです。

えらいです。

最近やっと解けてきたじゃないですか。この前女の子と三軒茶屋にご飯に行くことになったんです。「三角地帯に行きたい」って言われて。

けっこうな飲み屋街ですよね。

はしご酒をするかもしれない、「おいおい、どうなるんだよ。この日」っていう期待値のある予定が1個あると、途端に日常が煌めいていくなという句ですね。

うらやましいっすよ。いいよなあ、白武さんはさ……。

「君もすればいいじゃん」

白武さん! それだけは言っちゃダメですよ!

でもどうなんですか? 実際にそういうDMが来たりとかもしますよね?

一応あったりはしますけど、いたずらばっかりです。「友達にやれって言われてすみません! でもファンです!」とか。だから最近はDMを封鎖しちゃいました。

確かにぐんぴぃさんに届くいたずらのメッセージ、めんどくさそう(笑)。

「童貞を奪ってあげる」みたいな連絡も来るんですけど、できれば純愛をしたいじゃないですか。最初ぐらいは自分が好きな人に、っていうのはありますね。

絶対そのほうがいいですよ。

【白武の句②】
玄関のキスで知るあとの祭り

気になってる子と飲んでて、僕んちで飲み直すことになったんです。

早っ!

「早っ」?(笑)

エロが早いなと……。

何かあるかもって期待してたんですけど、その子が「来週気になってる人とご飯行くんだ」って言うんです。好意が自分に向いてるわけじゃなかったんですね。その後は普通に楽しく過ごしてて、帰り際玄関まで送ったらその子がキスをしてきました。

え? え? 何が起こったんですか?

わからないですけど、もしかしたら僕からアプローチする必要があったのかも。

なんて難しいことしてくるんだ。

本当にモテまくってきた人たちって、僕たちの訳のわからないところまでいってますよね。自分のことを全員好きになる前提で生きてる人たちじゃないですか。

戦闘力5の雑魚キャラの反応を見て……。

こういうのも教えといてやるかっていうキス。

選択を間違いつづけた玄関。

去り際のエロス。

【白武の句③】
最初から決まってたみたいななんやかんや

六本木で仕事が終わって、今日誰かとご飯行きたいなと思って誘った人がたまたま六本木にいたんです。観たい映画があったので、これ見ない?って聞いたら「私もちょうど見たかった」って。で、ご飯食べてたら「最近私恋人と別れたんだ」って言われて……みたいな日があって。図られたみたいに連鎖する日が数年に一度ありますね。

なんかすごいちゃんと恋愛をされてますね(笑)。え、最近の話ですか?

3月末とかですね。

僕の場合、こういうことがあっても「何カ月もエッチしてないからなあ」って思っちゃうんですよ。……でもそうか、ぐんぴぃさんはそうか。

あれ? 下見てませんでしたか?

下だと思ってるわけじゃないですよ! いろんな人がいるよなあと思って。価値観が違う人たちがそれぞれの軌道を通って今ここに集まっているから、全員が被らなくておもしろいですよね。

僕からしたら、スーパーサイヤ人とフリーザに挟まれてるクリリンみたいな感覚ですよ。

全然クリリンじゃないっすよ。

クリリンが一番変な恋愛してますよ。人造人間と結婚しますからね。

【白武の句④】
人の家の湯がたまるのを半裸でうろつく

まあなんやかんやあって、お風呂入りたいって言われたからお湯を溜めてたんです。見たら相手の子が半裸でそのへんをうろついてて。裸を見られて恥ずかしいっていう感覚があまりない子を見ると、気持ちのいい人だなって憧れを持ちますね。

仲よくなって半裸でとかじゃなくて、最初からそれでいける人の話なんですね。

心の壁が薄い感じというか。

人にどう見られるかをそこまで意識してない人っていますよね。

自分をよく見せようとしていない。

自信がめちゃくちゃあるのか、モテようとしてないのか。

【白武の句⑤】
あざやかな何もなかったフリ

なんだこれ、エロいな。

一線越えた人と別の機会に会うとき、それまでどういう距離感でしゃべってたかすぐ忘れちゃうんですよ。ドギマギしてる感じが出てないか、いつも不安になっちゃう。でもそれまでの設定をそのまま保存したみたいに接してくる人がいて、「あ〜この人嘘つくの上手だな」って。

これ、マジでそうなんですよ! みんなあざやかな何もなかったフリをしてんすよね! やることやってんのにさあ!

知らない間につながってる線のまわりをうろうろしてる時間ってありますよね。でもこれ、白武さんが職場でそういうことがあったという示唆にもなっちゃうんじゃないですか?

まあ、職場なのか、友達グループなのか言及は控えておきます。

これをあざやかと捉えるのが僕としてはパラダイムシフトというか。エロ自由律俳句のよさですよね。

前半終了

──コロナが明けつつあるというのが皆さんの句からすごく伝わりました。

我々は一番エロから遠い期間に句会をやってたんですね。

よくやりましたよ。

もうこっからエロ過ぎちゃうんじゃないですか?

僕、これからも何もなさそうで……本当にどうしようかな。 想像だったり、過去のことをものすごい振り返って書いてるんで、新しいエロは更新できないかもしれません。逆に更新したらすぐに気づかれると思います(笑)。

白武さんみたいな句を僕も読んでみたいです、マジで。え、おいくつでしたっけ?

32歳です。

同い年なのにこんなに違いますかね。

大丈夫ですよ。実は僕も童貞だったことがありますから。

かが屋・加賀&放送作家・白武ときおの【エロ自由律俳句|第9回前編】4度目のゲストはバキ童こと春とヒコーキ・ぐんぴぃ!
左から、白武ときおとぐんぴぃ

後編へつづく

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【連載】エロ自由律俳句
お笑いコンビ・かが屋の加賀翔と放送作家の白武ときお。お互いに自由律俳句が好きで、詠んだ句をLINEで送り合う仲であるふたりが、「エロ」をテーマにした自由律俳句の連載。


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福田 駿

(ふくだ・しゅん)1994年生まれ。『クイック・ジャパン』編集部、ほか『芸人雑誌』編集も担当。

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