オードリー若林、加賀まりこの「ゴールデンでも王様になってほしい」という願いに「泣きそうです」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『激レアさん』

ゴールデンSPのゲストは上沼恵美子と加賀まりこ。どちらの登場も総立ちで迎える面々。

上沼は若林が「上沼さんにパネル渡したら」「今日はトークライブにしようよ!」というほどの独壇場で鉄板話を矢継ぎ早にしゃべりまくる。当然のように爆笑に次ぐ爆笑で圧巻。

そして「芸能界一肝が据わり過ぎている人」として登場の加賀まりこは歴代の激レアさんを圧倒するスケールの大きさ。なにしろ出てくる名前が黒澤明、美空ひばり、丹下健三、黛敏郎、寺山修司、ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、ロマン・ポランスキー、さらには川端康成といった歴史上の人物ばかり。寺山やゴダール、川端らに声をかけられたという話を受け若林「さっきから思うんだけど歴史上の著名人もすごいナンパするねえ(笑)」。

川端からの誘いも「ホントにいい迷惑で」と朝食デートであしらう胆力。そんな自らを「安全運転な人生ができないだけ」と言い放つ加賀まりこのカッコよさ。

加賀がこの番組に出たのは若林のファンだったからだという。「私はあなた(若林)に会いたくて来たのよ。陰キャの王子様よね? ずーっとファンなの。じゃなきゃこんな自慢話するような番組来ないわよ」と。今後、どんな若林が見たいかと言われ「11時以降の番組じゃなくてゴールデンでもちゃんと王様になってほしい」と、明らかに『あちこちオードリー』での「ゴールデン覇王」を目指すと発言している回を踏まえた答え。若林「ホントにずっとそのこと最近考えてたんで、いま気を許したら泣きそうです……」。

若林が「極レアさんだよ!」と慄(おのの)く強烈なエピソードの数々はもちろん、加賀の若林に対する共感があるのか、優しい眼差しが印象的な回だった。

『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』

「生まれたときから家にDVDがあってドリフを知らない時期の記憶がない」というドリフ大好きな17歳の女子高生・大沢沙夜が今回の博士ちゃん。彼女は「ザ・ドリフターズのカッコよすぎ伝説」をプレゼン。サンドウィッチマンも驚く知識とドリフ愛。加藤茶のドラムを叩く姿が凛々しくてセクシーだと感じ、その影響で軽音部に入ってドラムを始めたというから驚き。このプレゼン中、リアルタイム世代のサンドウィッチマンが変に知らないフリをしないのもよかった。同じ目線でしゃべっていて、だからこそ、サンドも知らない知識が出てくると素直にスゴいと思えるし、世代による感じ方や見方の違いなどもよくわかっておもしろい。

加藤が「ヘックシ!」とおなじみのくしゃみギャグでサプライズ登場すると、博士ちゃんは絶叫したあと、顔に手を当てて絶句。手が震えて固まってしまうリアクションがステキだった。そのあと、一緒に座って質問タイムへ。そのときのキラキラした眼差しを見ているとこちらも胸がいっぱいになる。

「法被の色とデザインは誰が考えた?」「靴下を履く人と履かない人は?」など普通ではなかなか聞かない何度も繰り返し観てきたからこその質問内容もとてもいい。最後に夢を聞かれた加藤は「今、80歳なんだけど、90……できれば100歳までお笑いをやりたい。舞台でお客さんにウケて舞台で死んでいきたい」と博士ちゃんならずとも「カッコいい」と唸る答え。「人に笑ってもらいたくてがんばってきたんで、それをずっと貫きたいね」。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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