今田耕司vs爆笑問題、あまり共演のないふた組がバチバチだった時代を回想(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『刺さルール!』

ゲストは今田耕司。あまり共演のない爆笑問題と今田は、芸歴は今田がやや先輩だが、年齢は爆笑問題が上という関係性。爆笑問題のテレビデビューが実は今田との共演(『笑いの殿堂』)だったそうで、今思えばバチバチの空気だったという。今田は、同じ年代の芸人と共演できるから楽しみに収録に行ったが「アウェー感がすごかった」と振り返る。すると太田が「今田だけど」みたいな感じで偉そうに入ってきたと誇張して伝えるも、「このふたりさ、初めてのテレビじゃん。スタジオの隅で震えちゃってさ」とお返し。太田「だから、俺らが一番アウェー(笑)」。

さらに、売れて東京に来たら「おう、今田!」みたいな感じだったと今田が追撃すると「そんなことはないよ!」と反論。「久しぶりだねー」みたいな感じだったよ、と太田が言うも今田「絶対にちゃうやん。そんなこと人間の誰ひとりにもしたことないやん!(笑)」。

そんなオープニングトークだけで大盛り上がり。そのあとは「今田の遅刻が原因でほんこんと解散」「Wコウジと命名したのはNSC講師の大工富明」といった最近ではあまり聞かなくなったデビュー当時の思い出や、この番組らしく車遍歴や家事情などお金にまつわる話が語られる。

今田が30代のころ、当時は発表されていた、いわゆる「長者番付」を観て「なんで太田くんが入って俺入ってないねん!」と腹を立てていたとインタビューマン山下が証言。今田もそれを認め、単価の高いピン芸人なのにコンビの片っぽに負けてるやんとライバル心があったと。

ダウンタウンvs爆笑問題という構図の中で、きっとダウンタウン本人よりも、その若頭的立場で、しかもほぼ同世代で芸歴も近い今田耕司のほうが爆笑問題を強く意識していたんだろうなと思わせるやりとりだった。

爆笑問題『クイック・ジャパン』vol.156表紙
爆笑問題『クイック・ジャパン』vol.156表紙

『shaddow』

事前に行ったロケVTRにアフレコ脚本を書き、ロケ出演者がアフレコをし直す企画。前週はゆきぽよの街ブラロケVTRに滝沢カレンと渡辺隆がアフレコ脚本を書いたが、渡辺はもとより、滝沢カレンの脚本がちゃんと筋も通っていたし彼女らしさもあり、司会のバカリズムにも「毎秒おもしろかった」と言わしめていた。

今回のロケは国崎ともう中学生。このふたりだから、VTRが最初からカオス。それぞれのネタもふんだんにやっていたから、前回のようなまともな街ブラロケにボケを足すより難しいと思われたが、滝沢も渡辺も見事にまた違ったおもしろさに変えていた。特に渡辺は、VTRのカオスを上回るぶっ飛んだボケでよりカオスなものにブラッシュアップしていた。「アフレコ脚本の作成は、人間の本性をあぶり出すのに最適かもしれません」と渡辺はコメント。まさにもともとボケである渡辺の狂気性をあぶり出していた。とてもいい企画でほかの人の脚本でも観てみたい。

バカリズムは「次回、脚本どうですか?」とスタッフに聞かれ「次回番組をやるかと、僕が脚本やるかは分けて考えたい。次回は絶対やったほうがいい。これはまた観たい」「僕が(脚本を)やるかどうかはまた別件で話したい(笑)」。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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