「男女の笑いの違い」に悩む久本雅美を勇気づけた、タモリのひと言(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『アンタウォッチマン!』

久本雅美を通して平成バラエティを振り返る。

『今夜は最高!』で初レギュラーになった彼女。当時は直球の下ネタをやる女性はおらず、反発が強かったそう。

93年には『笑っていいとも』のレギュラーに抜擢。そんななかで久本は、男女の笑いの違いに悩んでいた。そこでタモリに言われた「男性のお笑いの門は広がっているから入りやすいけど、だんだん狭くなっていく。女性の門は狭いけど、いったん入って認められたら広がっていくよ」という言葉に勇気をもらったという。

また、ビートたけしは、久本が「女性のお笑いは何が大事か」を聞いた際、「振り子の原理」と答えたという。「女であることと、女を捨てることの振り幅が広いほどおもしろい」と。

『いいとも』スタッフが語り継ぐ久本伝説を、勝俣州和が証言。母が危篤状態になり実家に帰るも、翌日『いいとも』だった。プロデューサーには休んでもいいと言われたが、東京に戻り出演。オープニングには間に合わず途中参加。

その際、久本はスタッフにひとつだけ頼んだ。お客さんのうしろから登場させてくれと。前から出ると、泣きはらしているのがわかってしまうから。

登場して「よろちくびー!」などとやると、お客さんは爆笑。だけど、サブのスタッフは号泣していたという。

ちなみに「よろちくび」は、『炎のチャレンジャー』で挑戦する前の意気込みを言うときにアドリブで誕生したのだそう。

『相席食堂』

「街ブラ-1グランプリ」完結編。

『M-1』での傷心を引きずったようなロケのダイヤモンドにつづいて、8番目に登場したのは男性ブランコ。ふたりが出会った滋賀県彦根市に。

別々の大学だが、両校共同で活動していた演劇サークルで出会った彼らは、その演劇サークルに凱旋。劇団ZERO&劇団深夜特急の部室で後輩たちと対面。

浦井は入学してすぐの公演『2階にもほどがある』で主役に抜擢されたそうで、そのチラシを見せられ歓喜。当時の写真などを見ると、浦井はこのころ、イケイケの「センタータイプ」だったよう。

当時はトリオとして活動していたそうで、「3人目の男性ブランコ」として「かちぼう」こと矢野克弥と再会。「うらさん」「まちゃ」と呼ばれていたという。

彼らの単独ライブのタイトルが『悪戯 オブ 神』。『2階にもほどがある』と合わせて、ノブ「ウエストランドがバカにしてたやつ!(笑)」。

さらには当時の劇団員らも登場し、「めっちゃ観やすい」とノブ。大悟「関係性がよくわかる。こういうことなのね、ワシらが地元に帰ってしてほしかったのは。こいつらのルーツ(を知りたい)。なぜこうなったのかっていう」。

その後、平井のアルバイト先にも立ち寄り、温かさを感じる「名作」ロケ。大悟は「やっぱりロケ先で楽しまないとよくない。このロケに来てよかったっていう顔が出てるから、ずっと観られる」と手放しで讃える。

キュウがまた9番目に選ばれ、未だに「9」の呪いが解けていないのも何気におもしろかった。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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