バカリズムが“オードリー春日”を論じる「番組出演本数で一喜一憂する春日は見たくない」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『あちこちオードリー』

ゲストはバカリズム。ドラマの脚本とライブのネタ作りの違いを話しているところがとても興味深かった。

ドラマの場合、監督やプロデューサーと相談でき、資料も用意してもらえるから、ネタに比べれば「全然楽」だとバカリズム。しかも1時間のコメディの場合は、笑いを取るチャンスがたくさんある。

「1時間のドラマを作るよりも、5分のおもしろいネタを作るほうがよっぽど難しい」と語る。ネタの場合、5分など短い時間の中で詰め込んで成立させなければならない。さらにピン芸人のため、逃げ場がない。

ドラマの場合は「これを通したプロデューサー、これを映像化した監督、演じた役者さん、みんなの責任だから、俺だけの責任じゃない」からごまかしが効くと。ドラマもピンネタも高次元で作りつづけているバカリズムだからこその視点だなあと思った。

バカリズムも若林も「このキャリアになると、『おもしろい』も『おもしろくない』も誰も言ってくれなくなる」と嘆き、「もっと褒められたい」と言い合う。バカリズム「俺たぶんねぇ、お笑い界で一番褒めてほしいですよ(笑)」。

おもしろい・おもしろくないは好みだが、絶対的に変わらないのは自分が書いている量。分量のことをもっと褒めてくれてもいいんじゃないか、とバカリズムは言う。

実際のところ、ふたりは褒められまくっているのだけど、自分たちのレベルが上がっていくと、褒めてほしい人のレベルも上がっていって、それ以外の褒めている声はあまり聞こえなくなってしまうのではないかなと思う。その孤独感は、トップに立つ人ならではの悩みなのではないか。

“春日ウォッチャー”でもあるバカリズムは「春日は春日のままでいい」と改めて論じる。逆にイケると思った相手にしゃべる春日が見えるのは嫌だと。「イキイキとした春日は見たくない」「しゃべってないことに焦らないでほしい」と。

さらには「結果、出てる」と言うのはいいが「番組出演本数で一喜一憂する春日は見たくない」と言い放ち、出した結論が「たまたまであれ」。早くも今年のアクリルキーホルダーになりそうな名言が。

バカリズムの“春日”というキャラクターへの偏愛っぷりは、いつもおもしろい。

『ジロジロ有吉』

緊縛をアート化したロープアートを特集。この手の企画にはやはり前のめりで興味津々に見守る有吉。

Hajime Kinokoのロープアートにハナイチゴ関谷が挑戦し、美しい作品ができ上がるのだが、「私はやりたくないです」と珍しくみちょぱが消極的なことを言うと、心底驚いた感じで「なんで? しょうもな! マジ? これ見て? 俺は絶対やりたいと思う」と有吉。

「まだ私にはハードルが……」とみちょぱが言うと、くっきー!から「自分のことなんやと思ってんねん。上に見なよ、自分を!」と詰められてしまう。

緊縛研究家・青山夏樹の解説を聞いて「聞けば聞くほど興奮する!」と有吉。青山から誰かが緊縛を受けることになり、有吉「俺はもう反応しちゃうから(笑)」。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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