テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。
『座王』
審査員は2度目の今田耕司。今回は22人が2グループに分かれて対戦。Aブロックには、初出場のチョコレートプラネットが。
「ガチガチに緊張」しているという彼らの前に立ちはだかったのは番組常連の「ベジータ」R藤本。松尾が座れなかったとき、彼得意の「モノマネ」のイスに座っていたのがR藤本。「嫌な人座ってんな」と言いつつ藤本を指名する松尾。IKKOのイチ場面を再現する松尾に対し、藤本はベジータではなく(ベジータはモノマネではないということだろう)ジャムおじさんで対抗。「ドキュメンタリーvsファンタジー」となったこの名勝負は藤本に軍配。さらに「メンチ」で藤本は長田と対戦。藤本は「実力、知名度、人気、申し分なし。だが、何かが引っかかってた。ようやくわかったぜ。小物顔だ!」と今田を「小物顔」と評すクリティカルのひと言で文句なしに勝利。今田「腑に落ちてしまった(笑)」。
Bブロックは「この連中とは意識が違う。座王を獲って権力を手にして『ポップUP!』を復活させるんです!」と宣言する平子が主役に。いきなり「作家」に座る鬼・西田を指名し「正月、いっぱつ鬼退治としゃれこみましょうや」と“平子る”と「おせち感覚でいただくとしますか」と西田。この対戦に「ウケ方が明らかに違った。揺れました」と今田は平子に軍配を上げ、ジャイアントキリング。波乱はつづき、優勝候補・ロングコートダディ堂前得意の「歌」で三島がアップセット。平子は「モノマネ」で友近も破る快進撃。
この番組の場合、一度負けたら終わりのため、どうしても実績のある実力者が絡む対戦は、実績のあるほうがやや劣っていても、ドロー判定にして様子を見がちだ。結果、ネタを豊富に持っている実力者が勝つ。だが、今田は思い切って一度の対戦だけで差があればしっかり勝敗をつけていたため、アップセットが多くなり、いつも以上の盛り上がりを見せたのだろう。
決勝ステージでは、三島が「変態侍」っぷりでAブロックから勝ち上がった番組常連のセルライトスパ大須賀、R藤本をまさかの連覇。決勝は平子vs三島の「キス」対決に。
「座王史上最大の死闘」と謳われたこの対決は、ふたりとも「あれれ? 決勝戦で?」と敗者たちがざわつく大スベリ。ドロー判定で2回目に入るもやはりスベって3回目。思い詰めたようなふたり。こうなると敗者席も「そのまんまでいい!」「平子が見たい!」「いつもの平子さんでいい」「自信、自信!」と応援モード。一体感が生まれたなか、平子がらしいフレーズを絞り出すと「それ! それ!」とスタンディングオベーション。
「この座王という称号、そして、三島という親友ができました」という平子に「ほんま親友っす」と三島も応えるいい光景。今田「最後は甲子園を見てるような(笑)」。
さまざまなジャンルで戦わなければならない『座王』だからこそ起きた「死闘」で、最高の迷シーンだった。
『ここにタイトルを入力』
1本目は、女性の本音トークバラエティ「すっぴん女の赤裸々ナイト」。事前にスタッフが司会のノンスタ井上に、年末年始でキャスティングに苦戦している旨を伝えていたが、女性ゲストが5人全員アンミカという異様な光景。でも、時間を追うごとに普通の番組のように観れてしまうのが不思議で気持ち悪かった。
2本目は「大逃亡」。タイトルどおりポリスから30分逃げ切ると100万円という『逃走中』のパロディだが、スタッフは「同じ場所で他局の番組の撮影も入ってしまっているけど気にしないで」と野田クリスタルらキャスト5人に伝える。その言葉どおり、なにやら別の衣装を着た人が見切れたり、番組と関係がない小道具が映ったりする。野田がポリスから逃げているときに、この番組には出ていない村上が隠れているのを見かけたり、ドクロの風貌の相手と戦っていたりする。
そう、『鬼タイジ』的な番組(原田Dのツイートによると番組名は『ドクロバスター』という設定らしい)の撮影もしているのだ。4体のポリス放出阻止するためにふたつのうち正しいボタンを押すミッションでは、ほかの番組の出演者が間違ったボタンを押してポリスが追加されてしまう。もうひとつの番組の出演者が意外なほど豪華でそれが誰なのか画面を隅々まで観て探したり、観ていてずっと楽しい。別番組側の視点からも観たら、またおもしろそう。今回も本当に手が込んでいる悪ふざけの中に皮肉が効いていて観応えがあった。
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【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)
毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。
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