萩本欽一が「負けたわ!」と叫んだ、明石家さんまとの伝説の対決(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『誰も知らない明石家さんま』

第8弾となる今回は『恋のから騒ぎ』が“復活”。

銀座クラブのチーママになったという「ぐれたメーテル」こと藁谷リサ(9期)、「南米の鳥」渡部いずみ(12期)、「ほうまん」宝満まどか(8期)、「獅子舞」富岡佑子(12期)、「おかやん」岡野麻衣子(10期)、そして今や国会議員になった「イヤな女」塩村あやか(14期)が集結。ほかのメンバーが風貌が変わっているのに、「獅子舞」だけがまったく変わっていないのがおもしろい。「南米の鳥」は、整形したことをサラッと明かす。かつて「海に捨てられた」という強烈エピソードを語った「ほうまん」は、当時「イタ電」をかけてきた男と結婚したそう。ほうまん「旦那だけは丁寧にイタズラ電話をかけてきた(笑)」。画面にエピソードの概要が出て「はいこれ誰?」とさんまが言う感じが懐かしくてとてもよかった。

恒例の又吉脚本によるさんまドラマ化は、時代を変えた伝説の『欽ドン』最終回での萩本欽一vs明石家さんまを描く「さんまが挑んだ伝説の男」。以前から爆笑問題・太田はこの対決を「さんまさんは完全に欽ちゃんをやっつけにいった。全部スカして自分のほうに持っていく。震えた」と評していた。

さんまを杉野遥亮、萩本を東京03角田が演じる。1967年の奈良・あやめ池遊園地にコント55号を観に行ったエピソードから始まり、『週刊欽曜日』での初共演、そして『欽ドン』へと至る道が描かれた。『欽ドン』では、普段リハーサルを大事にする萩本が、その日だけはリハーサルなしで本番を迎えたという。さんま「あのときはちょっとビックリした」。

また演出の竹島達修によると、普段の萩本は本番が終わると出演者と1、2時間しゃべるそうだが、そのときは「それじゃあね」と帰っていったという。「さんまさんが出た回に対して、本人がどう思ったかは未だによくわからない」と。番組ではドラマ化に際し、萩本に取材。それに対し、萩本はこう答えたという。「『欽ドン』の収録前、さんまちゃんが挨拶に来たとき、大丈夫かと思うくらいしゃべんなかったね。それが本番では凄まじかった。次から司会やってって思っちゃった。収録が終わって裏で『いやー、負けたわ!』って初めて叫んじゃったよ。さんまちゃんがずーっとしゃべりつづけて、自分が全然しゃべれない。普通なら腹立つけど、それがなかったのよ。心地よくて、やられちゃったな、好きだなあって思っちゃった。イヤな思いさせない不思議な人だねえ」。

言葉の端々にどこか複雑な感情を読み取れて痺れる。

『ロンドンハーツ』

「楽勝」と前振りしていたお見送り芸人しんいちが、意外にも早々とオダウエダ小田をフるかたちで、「クズが好き」というぱーてぃちゃん・きょんちぃとカップル成立。ぱーてぃちゃん信子と平子もそれにつづいた先週に引きつづき「ラブマゲドン」の後半戦。

2回目で吉住が指名したのは森田。はらちゃんを選んでいた森田は「待っといて」と失言し、全女性芸人から総スカン。森田「めちゃくちゃキレイに歯車が狂い出した(笑)」。

しんいちにフラれた小田はビスブラ原田を指名するも、またも原田が別の相手(はらちゃん)とカップル成立してしまう。「好きな男がふたりともどっか行っちゃった」と泣く小田。だが、実はずっと一途に小田を指名していたザ・マミィ林田と3回目でカップル成立。その林田の想いに気づかず小田「私はなんてバカなんだ……」。

その3回目で森田は吉住を選ぶも、吉住は当然、別の男を指名。その相手はなんと東ブクロ。「結局、さらば青春の光でヤバいほうは森田さん。ヤバいほうの隣って器でかいんです」と吉住。しかし、カップル不成立。コンビをかき回す吉住を東ブクロ「サークルクラッシャー(笑)」。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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