オードリー若林の代役にまさかのTAIGA「今日もウーバーイーツ、配ってきた」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『午前0時の森』

若林が体調不良で休みのためオープニングは水卜アナのひとり語り。そして代理MCとして呼び込まれたのはTAIGA。終盤くらいまでドッキリでいつ若林がうしろから登場するか挙動不審な様子。それもそのはず、オファーがあったのは2時間前。TAIGA「荷が重いよ、テレビ慣れてないんだから! 今日もウーバーイーツ、配ってきた」。

以前「キサラ芸人」集合の回で見せた「シェイクものまね」の「やってみよう、やってみよう、やってみようのよう♪」というダサいブリッジをいたく気に入り、流行語大賞を狙えるとまで言う水卜。実際、そのブリッジが強烈に印象に残るが、声のものまねと動きのモノマネを「シェイク」するという本編もけっこういい“発明”だと思う。いくつか持ちネタを披露したあとに水卜アナから、春日の動きと若林の声でできないかとムチャ振り。ところが、即興とは思えない若林モノマネのクオリティ! さすが長年の付き合いだけはある。

後半はボードに書かれたテーマにもとづいてフリートーク。最初はどうトークしていいかわからず戸惑っていたTAIGAだが、終盤、ツイッターから寄せられた若林・水卜への相談や質問にTAIGAが答えるという段になると「世の中の楽しいこと知り尽くしたと思っていたら、まだこんな楽しいことを知らずに42年間いたんだと思った」と子育ての喜びを語ったり、「よく(お笑いで)過酷だった仕事を聞かれるけど、一番きついのは仕事がなかったことなんで、きつい仕事なんてない」「自分のために生きようとするからつらい。他人のために生きようとすればつらくない」などカッコいい答えを連発。

一方で「おもしろくなる話し方を教えてください」という質問には「俺が教えてほしい」と答えられない。「よく相談される。お笑いのこと以外は」と、若林を筆頭に後輩芸人たちが慕うのがよくわかる。さまざまな角度からのTAIGAの魅力があふれ出ていた。

『不夜城はなぜ回る』

新企画として、夜中に飲み歩くのが好きという小峠による「小峠英二 不夜城を飲み廻る」がスタート。「いいっすね、おじさんが咳き込んでるのいいですよね。感じますねえ。ストリート感を感じる店によく行きますね。アンダーグラウンド的なね。血が滾(たぎ)るというか、毛穴が開くというか、細胞が踊るというか。それだけ覚悟を決めて飲んでるんでね。タダじゃ帰さねえぞみたいな。そういう雰囲気の店が好きっすね」とパンクな小峠らしいことを語りつつ、夜の川崎・溝の口を歩いていく。

自撮りに慣れていないのか、そもそもちゃんと撮るつもりがないのか、カメラアングルがひどい。1軒目に入ると、カメラに向けてしゃべるわけでもなくただただ静かに飲み、1杯飲んで退店。そして2軒目からは、なんの説明もなく謎の女性が帯同。外で飲むのが好きだという小峠はテラス席のある店を選んでいく。「誰? 説明してくれよ!」などとスタジオの東野、小杉がツッコむも、女性にちゃんとカメラを向けることもないため一向にその正体がわからないのが斬新。

小峠は終始、淡々と話している。それを「深いトーンで浅い話」と形容する東野が相変わらず抜群。「結婚されないんですか?」という質問に小峠は、『キングオブコント』優勝まで16年かかったから、そこから10年は「取り戻す期間」だと思い、お金も時間も全部自分のために使うと決めたため「結婚なんかしてたまるかと思ってた」という。だが、10年が経過し、相変わらず結婚願望自体はないものの「結婚に対する抵抗はなくなった」と心境の変化を語る。ひとしきり話し、「ダメだ、普通の飲みになっちゃった」と照れ笑いを浮かべる小峠。

まったくテレビ的な説明やサービスのないのが新鮮で「観たことない映像だった」とゲストのかたまり。なんだか惹きつける妙な力があって見入ってしまう。しかも映像自体が、ぶっきらぼうでいてどこか優しい小峠の個性に合致しているのもいい。第2弾はあるのかと聞かれて、プジョルジョD「本人は渋ってる。『慎重に打ち合わせをしたい』と(笑)」。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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