千鳥ノブらが“笑いを忘れた大ドキュメンタリー”に総ツッコミ。大悟「こんなの笑かし始めたらあかんよ」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『テレビ千鳥』

今回はこの番組では珍しく、ノブ主導の企画「ホームランダービー大反省会」。9月放送のゴールデン特番で行われた大悟の「ホームランダービー」を、未公開シーンも含め振り返るもの。

そのとき休んでいたノブに対し、大悟は「文句言う筋合いはないし、あの番組で反省するのはPK(企画)のお前」だと主張。それに対しノブは、お笑い番組なのに「大ドキュメンタリー」をやったと責め立てる。その際、ゲスト出演していたアンガールズ田中も帰りのタクシーで「NHK帰り?」と思ったという。

大悟の顔が終始マジ過ぎると指摘され、「元野球部だからしょうがない」と弁解しつつも恥ずかしそうな大悟。1球目打ったあとも「大きく振れてる?」とまじめに聞き、まわりは何かボケると思っていたため「え?」と2度聞き返したと田中は証言。大悟「待て、待て。こんなの笑かし始めたらあかんよ(笑)」。

そのあとも「完全に負けてます、ティモンディに」(ノブ)、「上京してきたときの、うまくいかなかったときの千鳥さん」(田中)、「いかりやさん不在のドリフターズ。締まってない」(ノブ)など、笑いを忘れた大悟はさんざんな言われよう。大悟がこうしてお笑いができないという方向性でタジタジになっているのは、珍しくて新鮮。

ラスト1球で目標の3本を達成したときは、テレビで観ていてうっかり感動したというノブだが、かまいたち山内だけは冷静だったという。翌日、楽屋で「大悟さん、あんなにみっともないんですね」と言われたそう。いかにも山内。

実際のところは、前回も大まじめにやっているところが、ツッコミ不在のある種のボケになっている企画なのだが、こうしてツッコミをあとから加えることで2度おいしい企画になっているのが見事。

来年、同じ企画でノブが現場に来れば「大悟の野球の魔法」がかかって応援に回るはずと大悟が言うと、田中「で、帰りのタクシーで魔法が解ける(笑)」。

『私のバカせまい史』

アンガールズ田中がプレゼンするのは、ド派手なファッションが有名な「北九州の成人式クレイジーファッション革命史」。

その映像を観て「胸糞悪い映像」「ムカついてしょうがない」という「ヤンキーが嫌い」な田中。基本的には好きなものをプレゼンすることが多いこの番組では珍しいパターン。

「自分が目立つために他人に迷惑をかける」ことが嫌いだと田中は主張し、「成人式のヤンキーはそれを象徴している」と。

その「悪」の起源は、2003年と意外と歴史が浅い。ふたり組の男が貸衣装屋を訪れ、誰とも被らない金と銀の袴を発注したことが始まりだという。さらに2009年、「虹キング」と呼ばれる男がさらにド派手に進化。

ちなみに「虹キング」はこれを機にヤンチャを卒業。現在、飲食店・運送業・人材派遣会社を経営し、まじめに働いていると解説が入ると、「すごくないよ、それ普通だから! みんな普通に働いてるの!」「これを機にじゃなくて、いつでもなれる!」と、元ヤンキーが働いているだけですごいなどと言われる風潮に釘を刺す。

そのあとも「顔まわり革命」「髪型革命」などが起きたと、いちいちくだらなくておもしろい。

そんな北九州市の刑法犯罪認知件数は、「成人式クレイジーファッション革命」が起こった2003年から大幅に下がりつづけ、約87%減だという。

これにも田中は「これを入れるのヤダって言ったんです」「警察ががんばったんですよ!」と終始一貫して噛みついていたのが、ずっとまじめに生きてきたプライドを感じさせてくれてよかった。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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