『ラヴィット!』、オープニングだけで終わってしまう“珍事”の中で重大発表(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『ラヴィット!』

北朝鮮からのミサイル発射のニュースのため49分遅れで開始。結果、全編が「オープニング」で、VTRに行く前の「それでは『ラヴィット!』スタートです」というひと言を発さないまま終わるという珍事に。

そんな回の番組終盤には「雨の日も風の日も暗いニュースがあった日も明るい朝を届けたくて走り続けた1年8か月」というタイムリーなテロップから始まる、番組開始からのハイライト。そこに添えられたBGMがTHE BLUE HEARTSの「1000のバイオリン」。暗いニュースを消しゴムで消すように「ミサイルほどのペンを片手におもしろい事をたくさんしたい」と楽しいことにこだわりつづけ、朝のお笑い番組という「道なき道をブッ飛ば」してきた『ラヴィット!』にこれほどハマる曲はなかなかない。そしてそのハイライトを観れば観るほど、よくぞここまでふざけつづけたなとその覚悟の深さに思いを馳せてしまう。

そして発表されたのは年末ゴールデン特番放送。いわば年末特大号。令和の『いいとも』にふさわしい。

『あちこちオードリー』

オープニングトークでは『じゃないとオードリー』を振り返り「あれから俺、変わっちゃって。今日なんか春日にジャムをあげちゃったもんね」と若林。春日「『これおいしいから』って(笑)」。

ゲストは大阪松竹からの仲で、いわゆる「脱竹組」のさらば青春の光とAマッソ。さらばは正真正銘の脱竹だが、加納は「うちらはほぼほぼクビなので『駆竹』」と。当時売れっ子だったキンタロー。のケツを思い切り蹴ってクビになったと森田が解説すると「違う」と笑う。実際はその態度の悪さから、当時、激トガリだった加納が怖かったのか、村上だけが呼び出され「もうこの会社にはいてもらわなくて大丈夫です」と言われたそう。それを聞いた加納が「辞めたるわ!」と辞めたと。「俺が『脱竹』とか言っていいのかな?」などと終始、どこまで踏み込んでいいのか困惑している若林が印象的だった。

この日は東ブクロがかき回す。ゴルフがあるからと『ラヴィット!』のオファーを断ったこともあるという東ブクロは「芸人も働き方改革していかなあかん」と主張。春日が出演本数ランキングトップを狙っていることに触れ「あれに達成感ないでしょ?」「そのぶん、すり減ってますよ」「趣味が充実して仕事があってなんぼやと思う」「そもそも芸人になって何をやりたかったか」などと饒舌に責め立てる。「テレビに呼んでいただけることに価値がある。だから1回くらいトップを獲りたい」と春日が反論すれば「量より質と思わない?」と問い詰める東ブクロ。春日「質がいい番組にも出してもらってるわ! 量量量じゃないよ、別に!(笑)」。

その一方で東ブクロは「オードリーさんはラジオでのキャラは漫才と違うじゃないですか。そのへんをちょっとずつ寄せていこうとかは?」としっかりとしたお笑いの話も。「ゴルフのこと聞けよ!」などとツッコまれ「オードリーファンに寄り添った質問でしょ!」と東ブクロ。実際「ホントそうだ」と若林。「漫才のとき、俺が恥ずかしいんだよね。そっち(漫才のキャラ)がレアになってるから。やってる~と思っちゃって(笑)」。

現在を「女性芸人全盛時代」と森田が評し、ごく近い将来、女性芸人がMCになる時代が来ることを前提としてみんなで話しているのも印象深かった。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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