ダウンタウン愛ネタで優勝のどぶろっく、パンティで涙をぬぐう(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『ガキの使い』

ダウンタウン愛をテーマにしたネタを競う「D-1グランプリ」完結編。

ナイツはダウンタウンをテーマにした「ヤホー漫才」。盤石。ダウンタウン信者だったというZAZYは、羽にふたりの顔パネルを貼って登場。その重みで傾いてしまっているのが可笑しい。そして「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」の歌詞が飛んでしまう。ネタが飛んだのは、ココリコ&陣内、とろサーモンにつづき3組目。いかにダウンタウンの前でネタをするのが特別なことなのかがよくわかる。

10組目はマヂカルラブリー。中学卒業くらいのころに『遺書』を読んだという野田クリスタル。そこで「おもしろい奴というのは自分ひとりの世界を持っており、実はネクラな奴が多い」の一文に衝撃を受けたという。「いろんな芸人をネクラにさせた」と。そんな野田の「松本人志になりたかった」という思いを込めたネタを披露。それは「七变化」でやったネタをブラッシュアップした完成版の「生まれ変わりコント」。野田が生まれ変わったのはもちろん松本。ならば村上は当然浜田と思いきや、元マネージャーの藤原に。そのクオリティが意外と高いのも可笑しい。

全11組のうち「ダウンタウンがトイレで相談」して決めたという優勝者は「ダウンタウンのチンコが見てみたい」と歌い上げたどぶろっく。本当にこの手の一発勝負での強さがえげつない。「み、見せてもらえるんですか?」と森が言うと松本「だから浜田とも、やっと見せれるときが来たって(笑)」。優勝商品は特製トロフィーとその場でふたりが書いたサイン色紙。本当にうれしそうな江口は涙。言葉にならない江口は涙をパンティで拭う、せいいっぱいの彼らしいボケをする光景が最高だった。松本「でも、涙がホンマやからどうしていいかわからへん(笑)」。

今回は3週にわたり通常回で行われたけど、次回はゴールデンの2時間特番などでやってほしい。

『テレビ千鳥』

名物企画「面白新キャラクターを作ろう!!」。ノブの代理MCはアルコ&ピース平子。この企画で「森の狩人ジンザ」なるキャラを生み出した平子は「僕の芸人活動の中の最高傑作です」と、『THE MANZAI』3位がキャリアハイのところ「それを軽々と超えた」と語る。

「子供から大人まで全世代に愛されるヒーロー」をテーマに今回挑戦するのは岡野陽一、ななまがり森下、ランジャタイ国崎。彼らがスタンバイする間、平子は経験者としての視点から「こんなもんでやろうって頭の中固めちゃうと、入って適したものがなかったときに本当に溺れたかのような混乱に陥る」「盛ってるのか?引いてるのか?でだいぶ違う。その一品があるかないかでガラッと変わる」「自分じゃ3秒にも永遠にも思える。時間軸がバカになるんだよね」「(道具があり過ぎるから)もうちょっと絞ってたら選べるんだけど。人間の葛藤のドキュメンタリー」「ひと言目でどっちに行くか。自由だけどそこはブラしちゃダメ」などと饒舌に解説していく。

3人はそれぞれ「卵を守りし者・長沼」(岡野)、「エイトマン」(森下)、「即死確認忍者・おぼろ」(国崎)なるキャラを生み出し「3人の挑戦が終わりました」と締めようとする平子。が、「3人っていうか、ねえ?」と大悟。その言葉にすべてを察した平子は顔を手で覆いへたり込む。「いやぁ、しんどいよ……」と力なく呟く平子「システムを語っちゃったんだよね……」。

そうして誕生したキャラが「ララバイ尺太郎」。「必殺技は?」などと大悟が振りながらも途中で優勝者を発表し遮られると「もっとやらして」と懇願する平子。それに対して大悟「いやーわしはひとりの芸人が死ぬと思ってこれ以上は……(笑)」。

カットがかかったあとうなだれて、見るからに落ち込んでいる平子に「結局おもろなってんじゃないですか。やらしいよな」とフォローする大悟の優しさが素敵だった。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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