「浜田に任すしかない」ダウンタウンの信頼感が垣間見えた“伝説の漫才”の終わり方(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

文=てれびのスキマ 編集=梅山織愛
トップ画像=『クイック・ジャパン』vol.104より


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。


『ダウンタウンDX』

ダウンタウン40周年ということでダウンタウンに憧れている芸人たちが集結。その中には少し意外なくっきー!も。「ダウンタウンの延長線上に僕らがいますから」と。

陣内や後藤らは、ダウンタウンが『4時ですよーだ』で大人気になり関西人のヒーローになったあと、上京し寂しい思いをしていたところ、『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』の特番などで浜田が回答席の机に登るなど戦っている姿を観て「行けー!」と思っていたと回想。松本「あのころの浜田のやり口には引いてた(笑)」。

陣内が『伝説の一日』の漫才について「終わり方は決めていたのか?」と聞くと、浜田は「アレもう2発目いって3発目やったから、もし次来たら強制終了やって俺は思ってたら3発目来てくれたから」と答え、つづきがあったのかと聞かれ松本も「どうなるかにもよるなあ。そのあともあるっちゃあある。終わり方難しいなあと思ってたけど、浜田に任すしかないから」と。お互いに絶大な信頼感があったことが窺わせる痺れる答え。

『あちこちオードリー』

アンミカに悩みを聞いてもらう「どんよりポエム発表会」の第2弾。ロンブーの亮は「若手のことを受け止めていいところを出してあげる余裕がまったくない。もう50歳なのになあ」といういきなり重い悩み。

「あの件」があったことで「自分が言うな」という考えが頭をかすめ、一歩踏み出せなくなっているという。これにアンミカは、「もっと自分も他人も許せたら楽」だと語った上で、「人生死ぬのが終着点やったら生きてる間は全部中途半端。生きてる間、全員が未完成やねん」「過程で完璧を求めるのは人間としてもったいない」と金言。

「びっくりしたぁ、今。想像以上に刺さる言葉やった」と亮。アンミカ「『失敗』って敗することを失くすって書くから自分が負け知らずと思った時点で人生終わりなんですよ。常にちょっとずつ負けるって大事」。

さらに峯岸の悩みには、思い悩み揺れていることが「美しいお悩み」と感想を述べ「人って揺らいで揺らいで器を大きくしていく。人生ろくろなのよ」と鮮やかに答える。若林もなんでこんなに名言がどんどん出るの?と驚くキレキレっぷり。しかもそれが準備してきたというよりは流れの中で自然と出ている感じがスゴい。

若林は「じゃないほうでいりゃあいいものを出しゃばり過ぎたなぁ」と吐露。「じゃないほうのわりに」という評価される場所から出てしまった。「いつ出ちゃったのかなあ」と呟きながら「居心地の悪さを感じる」と言って、「じゃないほう」の人は「ラインを見極めたほうがいい」と説く。

たとえば誰?と聞かれ「ティモンディの前田くんは気づいてて、留まろうとしてる。でも俺はもう半歩出たほうがいいと思ってる」と若林。各所で前田の評価が高いなぁと感じる。近い将来、ブレイクするのではないか。ここで亮が「じゃないほう」の“始祖”として扱われているのもおもしろかった。そういえば「じゃないほう」が集まった『潜在異色』を一緒にやったメンバーだった。

春日のどんよりポエムは「頼んだ覚えのないデカい荷物が届いてた。春日が組み立てることになるんだろうなぁ」。ひとりだけ毛色の違う悩みにゲスト陣からも非難轟々。それでもエピソードを話そうとする春日に若林「何話し始めてんだよ、もう終わりだよ!(笑)」。

【関連】オードリー若林の本音「もういいかなって思った」。『あちこちオードリー』で明かす


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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