オードリー若林の本音「もういいかなって思った」。『あちこちオードリー』で明かす(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『あちこちオードリー』

ゲストはティモンディとボクシング金メダリストの入江聖奈。前田の優秀っぷりが際立っていた回だった。弁護士を目指し勉強し、大学院に学費免除で進まないかという話もあったが、高岸に「お笑いやらない?」と声をかけられ、芸人の道に進んだ前田。その高岸は怪我で野球をやめたときに「余生は応援する側に回ろう」と決意し、東北を応援するサンドウィッチマンを見て芸人を志したそう。

高岸に匹敵する運動能力のある前田だが、「高岸の成功の布石として前田オファー」が多い。前田自身も自分の運動能力をことさらに「出したくはない」と言う。それに「わかる」と同調する若林。若林もまた春日の影に隠れているが運動能力は高く、40mダッシュなどでは春日に勝ててしまう。けれど勝ったとしても番組は盛り上がらない。「ゴールテープ切るのは4番バッターがいい」と割り切る前田は、「できるできないじゃなく、カメラ向いてる方に綺麗なバントをしていく」と自分の仕事を説明。が、テレビの場合、その「バント」の部分がオンエアされずモヤモヤしてしまうと。

前田は聞き手としても優秀で、武道館ライブなど夢を叶えたオードリーに「もうやる気なくならないですか?」と質問。「そう聞かれると俺、野心もあるね。全然行き切ってるイメージない、自分たちでは。正直、武道館と山ちゃんのライブ終わったときに先真っ暗に一瞬なったね。もういいかなって思った、1ヶ月くらい。でも同じ釜の飯を食ったり、同じ戦地に行ったスタッフと共演者が増えてくるから、そことずっとやりたくなっちゃうのよ」と若林の本音を引き出す。「だからTAIGAさんとやってるんですね」と笑う前田に、若林「そのメンバーにTAIGA入ってない(笑)」。

『水曜日のダウンタウン』

「説教中に長渕の歌詞、自然に盛り込むこと可能説」第2弾。小峠と「ろくなもんじゃねえ」は小峠が言いそうな言葉が散りばめられていて相性抜群で60点の高得点獲得。

パンサー尾形はミスチルの「名もなき詩」で挑戦。説教する後輩は囲碁将棋・根建。根建といえば、「釣りで大物がかかって海に引っ張られる演技をすれば最大5人は道連れに落ちれる説」でも尾形チームで参加し、人一倍力強く尾形を押さえつけ困らせた男。そんな根建を「勘がまず鈍い。素直でいいやつなので言ったことを受け止めてくれるんじゃないかなって」と評す尾形。

冒頭から「元気」の有無で説教というよりは半ば言い争いになるふたり。尾形が「絶望、失望、何くすぶってんの?」と歌詞を入れ込むと、「くすぶってんのしょうがないでしょ! それは尾形さんに言われなくても俺がんばってますよ! いや、ちょっと待って。『絶望』『失望』ってマジでなんなん? そんなん与えてないでしょ、ヤバ、こいつ。なんなんマジで」と、相手が先輩だとは思えない根建の反論。

根建は興奮しすぎて、普段の言葉としてはかなり不自然な言い回しにもまったく気づかず、そのあとも「愛、自由、希望、夢 足元に転がってんだよ!」「は? 愛、自由……何? 哲学者になった?」「愛は奪うでも与えるでもなく気がつけばそこにある物」「なんで愛語ってんだよ、お前が!」と漫才かのような丁々発止の掛け合いが抜群におもしろい。73点と小峠を上回る得点を稼ぐも、ついに「君が僕のこと疑ってんならこの喉切ってくれてやる」と尾形が言うと、「もうミスチルやん!」とツッコミ。まさかの名コンビ誕生だった。


明日の観たい番組:『最愛』など秋の新ドラマが続々スタート

『ザ・ベストワン』(TBS)レギュラー初回特番。

『ゲームゲノム』(NHK)本田翼×星野源×小島秀夫。

『全力!脱力タイムズ』(フジ)サバンナ高橋&横山裕。

『タモリ倶楽部』(テレ朝)「第1回スーパーイリュージョンショーbyタコ」。

『ジロジロ有吉』(TBS)「池崎が空前絶後の巨大武器を製作」。

『人志松本の酒のツマミになる話』(フジ)川島明、谷まりあ、塚本高史、観月ありさ。

『あさイチ』(NHK)「プレミアムトーク」に天海祐希。『徹子の部屋』(テレ朝)に伊藤英明。

『A-Studio+』(TBS)に井浦新。

田中圭×安田顕『らせんの迷宮』(テレ東)、吉高由里子主演『最愛』(TBS)、シム・ウンギョン主演『群青領域』(NHK)開始。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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