テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。
『アンタウォッチマン!』
「芸人ソング」特集。
まず80年代前半、「漫才ブーム」時代のB&B「恋のTake3」、ザ・ぼんち「恋のぼんちシート」、ビートたけし「浅草キッド」などを紹介。またツービートが1981年に野音で行った『ツービート・オール・ライブ・ニッポン』の音源も。持ち歌があまりなかったたけしは、ロッド・スチュワートの「ホット・レッグス」などをカバー。当時の髪型もロッド・スチュワートに影響されたものではないかと。ロックな歌声がとてもいい。
80年代後半の「別格」ともいえるとんねるずの音楽活動も振り返りつつ、90年代の今田耕司に。「DA.YO.NE」の大阪版「SO.YA.NA」はラジオ番組のトークのノリから生まれたそうで「イヤイヤやってた。そのころはまだ歌出すとか恥ずかしいっていう時期」と今田は述懐し「芸人思春期」と表現。
同じ年、テイ・トウワプロデュースのKOJI1200「ナウ ロマンティック」も発売。このとき、「どういう音楽好きですか?」と聞かれ、「10代のころ、洋楽をよく聴いていたんで、どっちかというとUKのほうが好きだった」旨のことを伝えたという。デュラン・デュランやカルチャー・クラブなど「ニューロマンティック」という音楽ジャンルが好きだったそうで、今田の「今」ともじって「ナウ ロマンティック」に。完全な受け身なのかなと思っていたが、意外なほど今田の意向を汲んだ曲だったというのに驚いた。
発売当時出演した『Mステ』の映像も。MVのときと違いメイクスタッフがおらず、CDジャケットを見ながら自分でメイクした結果「コウメ太夫みたいになった」と自嘲。口パクだと思っていたが生歌だったと。「まあ失礼な話ですね、どうかしてますよ、20代」と今田。実際、歌声は「全然違うな、CDと」と伊達が言うように歌い慣れていない感じがありあり。また歌詞も間違えて照れ笑いを浮かべる姿も。目もキョロキョロしている。今田「当時は照れがあったんだと思いますね。もったいない、今ならめちゃくちゃノリノリでできますけどね(笑)」。
“お笑い思春期”の気恥ずかしさが甘酸っぱい。けれど改めて、色褪せない名曲だなと思った。
『凪咲とザコシ』
前週に引きつづきゲストは春日。「エアロビクス」対決ならぬ「工(こう)ア口(くち)ビクス」対決として「足つぼ大喜利」や「低周波治療器ポージング」、「足つぼフラフープ」などわけのわからない対決に巻き込まれる春日「なんでそんなことしなきゃなんないのかな?って思ってますよ(笑)」。
そんなハチャメチャな対決が終わると、突如まじめなトーンで「今後の野望についてお伺いしたい」とインタビューが始まる。「えっ? これ同じ番組撮ってます?」「へー、視聴者も大変ですね」と苦笑する春日。それでも「とにかくテレビが好きなので、いくつになってもずーっと出ていたい。同じようなことをずっとやっていたい」としっかり回答。
さらに質問がつづくと「これ、流れるんですか? 次のゲストの入りが遅れてるとかじゃないですか?」と困惑。そんな春日にも動じず質問をつづける渋谷。「若林さんに感謝の気持ちを」と促すと「ここで? こう言っちゃなんですけど、絶対観てないと思いますけどね」と春日。仕方なく「若林くん、ここまで連れてきてくれてありがとう」とカメラに向かって言ったあと、「絶対、観ます、オンエア。なんだ! コウアクチビクスって! 本当はエアロビクスを教えるって聞いてましたからね! ブラジル人のコーチに連絡して『どういうステップありましたっけ?』って」と動画まで送ってもらったという。生真面目な性格がよくわかる。そして自分に向かって「深夜これ見たあとに寝る……、寝れるかな? 大丈夫か、春日。お前寝れるか、このあと? すまんな!」と語りかける春日「夢の中にいるみたい(笑)」。
対決からエンディングのインタビューまでずっと、渋谷とザコシのふたりはもちろん翻弄される春日も楽しそうだった。
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