“小沢節”を炸裂させるスピードワゴン小沢をオードリー若林が「東京のブルース」と命名(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『あちこちオードリー』

ゲストは「ほぼ同期」という大沢あかねとスピードワゴン小沢。3年間の育休に入っていた大沢は、復帰にあたり『太田上田』に“乱入”し大きな話題を呼んだ。カロリーが高めの番組だが、あのふたりが相手なら失敗することはないし、業界視聴率も高いからハネると考え、菅賢治Pに直談判して実現したのだという。その思惑どおり、一気にバラエティに復帰を果たした。若林「俺、絶対ムリだと思う。3年休んだら全部向井になってる自信あるもん!(笑)」。

若林から「自分のスタイル崩さない」と称された小沢は、若いときは「前出ろ」などと言われたが「小沢にそれ無理じゃん」「やらないをやるってのもある」などと語り、「仕事は仕事じゃないと思ってる」「こういう人(共演者やスタッフ)と遊ぶんだと思って来てる」「遊びだから、嫌なことはやりたくない」「草野球も収録もその日の予定のひとつに過ぎない」など小沢節全開。

『めちゃイケ』の「歌へた王」で共演した際、小沢の歌に「ブルースでしたね」と感想を言ったら、リアクションが返ってこないから怒っているのかと思ったら泣いていたというエピソードを語る若林には「ブルースは最高の褒め言葉だよ」と返す。いつもの調子でちょっと変な合いの手を挟む小沢に「収録に変拍子入れないでもらえます?」と若林が注意すれば「収録はジャズだから」と動じない小沢に若林「ジャズだ、ブルースだ、スピーカーがうるせえなあ!(笑)」。

そんななかでも「漫才は『この笑い私わかる』って優越感を感じさせるのがいいと思ってる。その究極がダウンタウン。ダウンタウンは全国民にそう思わせた」など鋭い批評もする小沢に、もう渡辺正行のように東京のリーダー的立場になっていると若林が言うと、小沢の口調のまま「待たせたな」。「リーダー」は渡辺正行のものだからそれに代わる言葉はないかと振ると若林がイジるつもりで「東京のブルース」だと言うと小沢「めちゃくちゃいいじゃん!」。

途中若林が「小沢さんがちょっと変わってる人ですって企画のとき、(普通)主役はあがくじゃないですか。小沢さんは佇んでますもんね」と言っていたように、ずっと佇んで独白しているかのような立ち居振る舞いが可笑しいし、語っていた過去のエピソードも唯一無二で“ブルース”だった。

『あらびき団』

2夜連続でそれぞれ「真夏の最強パフォーマー」を決めるという企画。初日は15組の中からスパイシーガーリックがチャンピオンに輝いた。第2夜も同様に「あら」「びき」「団」の3ブロックに分かれた15組が優勝を争う。

「団」ブロックには実に12年ぶりの登場だというみなみかわ扮する「韓国のバックダンサー」アイヒマンスタンダード。懐かしのフォーマットそのままにネタをしている途中にカメラが舞台袖でネタを見つめるみなみかわ嫁に。そこから嫁をフィーチャーしたドキュメンタリーパートへ入っていく。

「あまりにも売れなさ過ぎて、こんなにおもしろいのに、こんなに逸材なのに、なんでこんなに売れないんだ。松竹芸能ダメなんじゃないかなって。これは私がやるしかない」と語る嫁の言葉を困惑した表情で聞くみなみかわ。嫁はみなみかわを「東野チルドレン」だと主張する。「違う違う」と言う東野は「みなみかわくんの顔が、野々村さんがダメ出しするときの修士の顔をただマネしているだけ」「あの顔、ちょっとオリジナリティないんちゃいます?」とあえて厳しいダメ出し。藤井「それに気づくって、東野チルドレンだから(笑)」。

最後に登場したのがディフェンディングチャンピオンのスルメ。いつものようにルーレットで止まった特技を披露。その中の「4文字しりとり」が「こんなおもしろいしりとり初めて見た」とゲストの滝沢カレンが言うように、凄まじいカオスっぷりで腹がちぎれるくらい笑った。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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