渡辺直美とジャンポケ斉藤の無双状態から始まった、2007年デビュー組の変遷とは(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『アメトーーク!』

見取り図、ジャンポケ、さらば青春の光、マヂラブ村上、ジェラードン(海野は休養中のため欠席)、ランジャタイの2007年デビュー組で「見取り図同期芸人」。“同期の星”渡辺直美はパネルのみ。

村上はNSC出身ではなく4年先輩の野田と組んでいるため、同期感はあまりないと吉本勢は言う。ジャンポケ、ジェラードン、ランジャタイ(中退)がいた東京NSC12期は、直美とジャンポケ斉藤が無双状態で、卒業公演もふたりが主役だったそう。

番組では「直美ビヨンセ・いいとも期(’08~’10)」「直美ピカル期(’11~’13)」「直美インスタバズり期(’15~’18)」「直美大スター期(’19~’20)」「直美世界進出期(’21~現在)」に分け、それぞれが各時期でどんなポジションにいたかをパネルで示し、検証。いかに渡辺直美が特別な存在かがわかる。だがデビュー直後の「直美ビヨンセ・いいとも期(’08~’10)」から、ジャンポケは1年目でレギュラー番組を持ったり『エンタの神様』にも出て、さらばは大阪の賞レースに出場して受賞、マヂラブや見取り図も『M-1』準決勝進出と、意外にも順調な芸人人生のスタートを切っている面々。一方、ランジャタイは「野良作家」に「河原でネタ見せしていた(笑)」と。

「ピカル期(’11~’13)」では、さらばが『キングオブコント2012』準優勝、ジャンポケ斉藤もNHKの子供番組のレギュラーになったり『ロンハー』のドッキリ企画で知名度が飛躍的に高まったが、トリオとして見ると斉藤だけが活躍している状態。さらばも、13年に東ブクロが「先輩の嫁、寝取った」事件が起こったと、貼ったパネルを斜めにする流れがおかしい。その’13年にさらばは、事務所独立とスキャンダルが重なり、森田曰く「東京芸人さんから無視されるくらい」嫌われていたそうで、MC横のかまいたち濱家も、当時『キングオブコント』決勝は芸人審査だったが「いろいろ思うことはあると思いますが、何卒審査は公正に」とスタッフが注意するほどだったという。

比較的順調にキャリアを重ねている面々だが、「インスタバズり期(’15~’18)」ではマヂラブが大宮に「左遷」させられたり、各組が一様に停滞している感じになっているのが興味深かった。芸歴10年前後にひとつの壁みたいなものがあるのかもしれない。

だが「大スター期(’19~’20)」で一気に花が咲く。さらばは賞レースを卒業したことを機に、バラエティ番組に呼ばれ出す。そのころを振り返り、斉藤は「この時期、急激に森田の平場の強さが世間に知らされた」と評す。そのジャンポケは「ストレッチャーズ」が人気になり、見取り図は『M-1』決勝の常連に、そしてマヂラブが『M-1』王者に。ジェラードンも『キングオブコント』決勝進出。そしてずっと枠外にいたランジャタイは「マヂカルラブリーが優勝したことで、グンと上がる」「地下ライブの門を開いてくれた」と急激に人気を獲得していったと。こうした変遷は、とても興味深くておもしろい。そして改めて見ると、粒ぞろいの実力者が集った期なのだなと思った。

『ホリケンのみんなともだち』

ジェラードン西本、かみちぃをゲストに迎え「根ホリ葉ホリ」トーク。

もともとは海野と西本の同級生コンビだったが、かみちぃが途中加入。それを当初、西本が渋っていたという話では、ホリケンも名倉を入れるときに反対したので一緒だと。かみちぃの加入を断っていた西本は、地元の友達を誘いトリオに。そのネタは大ウケするも、実はネプチューンのネタをまるまるコピーしたものだったという。一度まねしたらウケて、「自分のネタ」と脳が勘違いしていたと振り返る。その話を聞いたホリケンは怒ってもおかしくないのだが、逆に「すげー感動した」とうれしそう。「やっていいよ、共有しようよ!」とまで言う。

西本はホリケンが大好きで観るとまねしたくなると言うし、かみちぃも小学生のころ、地元・宮崎に営業で来たネプチューンを観て、多大な影響を受けたのだそう。確かに言われてみると、ジェラードンのネタにネプチューンっぽさを感じる。と思ったら上記の『アメトーーク!』で、西本が1年目にバナナマンのネタもコピーしていたことが暴露される。西本「1年目って、みんなパクるじゃないですか(笑)」。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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