爆笑問題、バナナマンらが「原点」と口をそろえるラ・ママ。リーダーの意外な後継者候補とは?(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『アンタウォッチマン!』

『ラ・ママ新人コント大会』特集。スタジオにはもちろん、主宰している「リーダー」こと渡辺正行。VTRゲストには爆笑問題、バナナマン、バカリズムというラ・ママで育った豪華芸人が。

爆笑問題はラ・ママがデビュー。その前に一度観に行ったことがあると証言。「全員つまんなかった」と笑う太田に対して、田中が「俺はおもしろいと思った。コイツ(太田)が、終わったあと『みんなつまんねえな、これなら楽勝だ』みたいなこと言うから『すげぇ自信だなあ』って俺は内心思った」と述懐すると「マジで!?」と本気で驚く太田。

そんな太田は「ラ・ママでトリを取るのは我々の当初の目標」だったという。それは設楽も同様で「僕らはラ・ママでトリを取るまでほかのライブ出るのやめよう」とまで決めていたという。またラ・ママで育ったからこそ、バナナマンは自分たちの単独ライブでは「地声が届く範囲」を「コントの限界キャパ」と考え、キャパ300人程度以上の会場ではやらないようにしているそう。

一発ギャグやものまねの合間にブリッジを挟むジャドーズに刺激され、ウッチャンナンチャンがショートコントというスタイルを確立したように、「そういう場を作りたかった。みんなが刺激し合う」という渡辺。

バカリズムが、客が10人(5人のころも)手を挙げたら強制終了となる名物コーナー「コーラスライン」のことを「どういう基準で選ばれたかわからないんですけど、僕らみたいな正統派もいれば、60歳ぐらいのおじいさんが漫談をやるんですけど、何しゃべってるかまったくわからないんですよ」「そういうキワモノが好きなんじゃないですかね、リーダーしか笑ってない」と振り返ると渡辺が、60歳のおじいちゃんは「チャーリー東京」という名前だと補足した上で「その人を入れたらお客さんが手挙げるなってわかる。だからわざと入れるわけ。あ、わざとって言ったら失礼だな(笑)」と正統派とキワモノのバランスを考えながらお客さんを飽きさせないバラエティショーを作っていたことを明かす。

そんな「コーラスライン」の最短記録を持っているのが狩野英孝。噂に聞くそのときの映像(ラ・ママは初期から映像が残っているのも本当に貴重)が! 開始数秒からバタバタと手が挙がり始め、わずか22秒で終わってしまい「おかしいよ!」と激昂する狩野を見てザキヤマ「昨日の映像かな?ってくらい変わってない(笑)」。

ライブ終わりには必ず反省会があり、そこで渡辺から寸評をもらえる。が、太田が「なんの参考にもならない」、設楽も「途中でしゃべってる間に『まぁよくわかんないなぁ~』で終わり」、ザキヤマも「いい意味で何も覚えてない」と笑う。渡辺「自分も芸人だから、あんまりガツンとしたアドバイスもらっちゃうとそれをやらなきゃいけないじゃん? それが嫌だった。だから自分が上になったときには、ここのネタをこう変えたほうがいいみたいなハッキリとしたアドバイスは言わないように心がけてる」。

このときもそうだが、設楽が「功労者だと思うんですけど、なんか人望がないよね」などと終始、後輩からイジられまくるリーダー。それが許される懐の深さに絶大な信頼と人望があるんだろうなと感じた。「どこでやるよりもラ・ママでやるのが怖い。緊張する」と日村が語り、設楽がつづけて「でも一番いろいろやらせてもらったのもラ・ママ。ラ・ママで全部試した。ラ・ママが原点」と称す、『ラ・ママ新人コント大会』。バカリズムは「死んでもつづけてほしい」というが、その後継者候補として渡辺は「ああいうのやりたいんですけど」と言っていたとスピードワゴン小沢を挙げる。後輩思いでネタ好きな彼はとても納得の人選。ザキヤマ「でも小沢くんはリーダーと違って的確なこと言っちゃうからな(笑)」。

『100分de名著』

取り上げたのは安部公房『砂の女』。理屈の世界で生きてきた男が、突然、理解不能な女性と出会う場面に対し、伊集院は「お笑いの理屈をすごい勉強してきたときに、いわゆる天然と言われている、その寸法に合わないけどめちゃめちゃウケている人が出たときの恐怖。狩野英孝くんが売れてきたときに『スタッフ~!』っていうギャグが流行った。で、狩野英孝くんが『なんでスタッフ~っていうとウケるのかよくわかんないけど、ウケるからより誇張してつづけてる』って言ったの。俺、もうそれが怖くて。それを認めたら何かが壊れちゃうって。学んできたから俺は」と主人公の戸惑いに共感する。

また主人公のアイデンティティが崩れたときに、かつていた職場のことを思い出す場面にも、伊集院は「わかる」と深くうなずく。「高校辞めたばっかりのころって、中学校のころの友達と遊ぶんですよ。しかも、中学のときは成績悪くなかったみたいなことを言いつづけることでなんとか自分に自分でいさせようとする感じはすごいわかる!」。いつもながら伊集院が瞬時に自分のことに置き換えて物語を噛み砕いていく力が凄まじい。


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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。