錦鯉『M-1』決勝前の予行練習を語る「みんな優しいんですよね、傷ついた人だから」(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。


『激レアさんを連れてきた。』

「お笑い界をカオスにしている人」としてSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)のお笑い部門を立ち上げたヒライさんが登場。SMAお笑い部門が立ち上がったころ、「ライブのオーディションで怪しいフリーのおじさんがいっぱいいた。その人たちがみんなソニーに入った」と若林が回想。「誰でも入れる」「事務所にその芸風やめたほうがいいとか止められないらしいよ」という噂が芸人の間に広がったという。

当時は30歳以上の芸人は事務所から毛嫌いされていたが、SMAは年齢不問、芸風もとやかく言わない方針だったため、発足5カ月で50組が所属したという。そのころを思い出しながら「笑いの『わ』の字も知らねぇ25歳くらいの社員が適当なことばっか言ってた!」と熱くなる若林。

手書きのSMA初期所属芸人リストが紹介されたけど、とても貴重。ひと組ずつ検索していくとコンビ名の変遷とかを知れておもしろい。

番組内で公開されたSMA初期所属芸人リストの内容
番組内で公開されたSMA初期所属芸人リストの内容

コウメ太夫がピン芸人になり、作家と意見が合わず辞めようとしていたところ、彼のまじめな性格を買っていたヒライは新しい作家をつけるように進言。その作家が「裏声」や「出囃子を自分の口で言う」などの助言をしたことでブレイクにつながったそう。結果、SMA第1号のブレイクで「コウメマネー」をもたらした。そうしたおもしろい提案をする作家は若林の近くにもいたそうで、春日に「半分サイボーグになれないの?」という提案があったという。

バイきんぐは当初、事務所ライブでは抜群の人気だったものの奇抜なネタばかりで、1軍にいながら唯一『オンエアバトル』で断られたという。ヒライはアジャストさせるため単独ライブを提案するも、同じことを繰り返し奇抜なネタに磨きがかかってしまった。そこで考えたのは、テーマ対決ライブをやらせること。「結婚式前夜」「警察と泥棒」など定番の設定でネタを作らせると、あるあるからネタ作りが始まり一気にポップになり、半年後、『キングオブコント』の準決勝まで行ったそう。この采配は痺れる。そして2012年に優勝。ヒライ「こんなに感動したことはなかった」。

錦鯉の『M-1』決勝3日前には、賞レースファイナリスト経験者を集めて予行練習を行ったそう。長谷川「みんな優しいんですよね、傷ついた人だから」。

『オードリーと選の夜』

「住みたい街上位『吉祥寺』の弱点」などゲストが気になることの「3選」を調査する番組が、ゴールデン特番として放送。「勝負の回だからオードリーにとってやりやすい人を集めてくれた」と若林。その若林が気になることは「40代おじさんが若い女性に話しかけても嫌がられずに会話できる絶妙な世間話」。20代の女性タレントと本番前、無言ではいけないと。若林「おじさんが黙ってると不機嫌に見えるじゃん(笑)」。

実際、ロバート秋山は本番前、佐藤栞里が隣だったため、なんとか会話を絞り出し「(セットの)ランプすごいよね」と話しかけていた。それに対し、少し離れたところで聞いていた野田クリスタルは「会話弱いなあって(笑)」。

番組が選んだ「3選」は「東京は寒いですね」といって出身地の話につなげること、コロナ感染者数の話、そして「『イカゲーム』観ました?」。それを実際に44歳会社員のおじさんが検証。苦心しながらも会話をするおじさんに「“若林メンタル”に近くてよかった」と若林。

「失礼ですけど悩みないですよね?」と若林に言われた秋山は「後ろの歌詞が前の歌詞を食いすぎてカラオケで絶対1人じゃ歌えない曲3選」。これには若林も「急に番組のトーンが変わってついていけない」と笑う。福山雅治「桜坂」、中西保志「最後の雨」、広瀬香美「ゲレンデがとけるほど恋したい」が「食いレベル」「食いタイム」など勝手にでっち上げた用語と共に紹介されてくだらない。実際歌ってみると「早口詰め込みタイプ」「前捨て」「後ろ捨て」と歌い方の名称も自然発生していくのがまたくだらない。広瀬香美本人のライブ映像を観ると「後ろ捨て」でバックコーラスに歌わせている。しかも、食っていない部分もバックコーラスに任せノリノリでダンス。秋山らしい目のつけどころでバカバカしくておもしろかった。


明日観たい番組:『お笑い実力刃』に阿佐ヶ谷姉妹

『水曜日のダウンタウン』(TBS)「芸人が今までで一番スゴいと思ったコメント調査」第2弾、「どれだけ苦手な食べ物でもその最高峰を食べたら旨いと感じる説」。

『あちこちオードリー』(テレ東)「思ってたのと違う発表会」ラランド、真空ジェシカ、コットン、ウエストランド、ゾフィー。

『お笑い実力刃』(テレ朝)阿佐ヶ谷姉妹。

『キョコロヒー』(テレ朝)「いじわる選手権」「プロデュースするお店の名前を考えよう」「ネットでささやかれているある疑惑」「京子がつるさんにアドバイス」。

『まんが未知』(テレ朝)少女漫画家18人がすごい漫画を紹介。

『空気階段の空気観察』(テレ朝)納言・薄幸など。

『浦沢直樹の漫勉neo』(Eテレ)渡辺航。

【関連】錦鯉「僕らをいいと捉えないでほしい」M‐1優勝を経て、若い人たちに伝えたいこと


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。