有吉がお笑いに目覚めたルーツ「同級生が『おもしろいから』ってモテた。それで『うわっ!』と思って」(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。


『かりそめ天国』

「もし6秒だけ昔に戻り中学時代の自分に声をかけられるとしたら、過去の自分に何を伝えますか?」という投稿に対し「もう1回やり直せるならいくつ?」との話題に。

マツコにとって大きな転機は、やはりテレビに出始めるきっかけとなった『5時に夢中!』への出演。東北新幹線でミッツにかかってきた電話が運命を変えた。高山善廣の代役として呼ばれたマツコ。当時はまだ地デジ化前。

UHF局は別のアンテナが必要で観ている人が少なく、「町内会のテレビに出てるような感覚」で出たそう。こんなところに地デジ化の影響が及んでいるのだなと思った。マツコ「本当に止めるとしたら、あの東北新幹線かもしれない(笑)」。

有吉でいえば『EXテレビ』での巨人師匠への弟子入り。ただ「あれをやってないとしてもNSCには入ってたと思う。もうお笑いやるとは決めてたから」と有吉。

彼がお笑いに目覚めたのは小3のころ。「同級生の子がちっちゃくて全然カッコよくもないのに『おもしろいから』ってモテたんですよ。それで『うわっ!』と思ってお笑いのほうへいっちゃったんだよね」。

どんなに成功していても「全員が後悔してる人生だから」「何をやったってみんな後悔する」としみじみと語るふたりの話は「死」の話にまでつながっていく。「一番最期に嫌いなやつの顔がよぎるような人間になりたくない」とマツコが言えば、有吉も「みんなありがとうって死にたいよね」と話す。

死そのものへの恐怖ではなく「死ぬときまでこのままで死ぬのかな?っていう恐怖」があると語るマツコ。「過去」の話から「未来」の話へとダイナミックに広がっていく深い対話だった。マツコ「過去なんかどうでもいいわよ! なるようになるわよ!(笑)」。

『ぺこぱポジティブNEWS』

今年度で閉校してしまう母校・光丘高校での講演に密着した「松陰寺、母校に帰る」。生徒からの質問に答えていくかたちで、ヘアセットは16秒くらいでできるとその場で実践して笑いを取ったり、「自分を評価する上でまわりを見がち。まわりと比べてどうなんだろって思っちゃうんだけど、これはムダな時間だと思います」などとマジメに語ったり、硬軟織り交ぜた話で引き込んでいく。

最後に司会者から「夢を実現させるために必要なもの」について生徒にアドバイスしてくださいと振られると、松陰寺は「みんなが言うから俺も夢持たなきゃいけないのかなと思ってたんだけど、そこに捉われ過ぎないことをみなさんにオススメしたい」と語り出す。

「たとえば将来こういう仕事に就きたいと思ってて、大学に行って勉強していくなかで、あれ?こっちじゃなくてこういう仕事もいいなって思うときが来ることもある。やりたいこととか夢とかって変わっていくものだから、諦める力も大事」

「夢が叶った人以外のストーリーもその何十倍、何百倍もあるっていうのは覚えていてほしい」「夢を叶えることだけがすべてではない。変わっていく自分に寛容になってほしい」と。そんな松陰寺の話を聞く高校生たちのキラキラした目が印象的でとてもいいVTRだった。


明日観たい番組:『最強ピンネタSP』にZAZY、おいでやす小田など

『最強ピンネタSP』(フジ)ZAZY、マツモトクラブ、横澤夏子、おいでやす小田、こがけん、ヒューマン中村、リクロジー、イチキップリン。

『週刊さんまとマツコ』(TBS)「80年代マンガ誌広告でヤバい商品連発!通販会社ポニーとは」。

『くりぃむナンタラ』(テレ朝)「絞り出しアンケート選手権」。

『テレビ千鳥』(テレ朝)「ノブにベストドレッサー賞を取らせたいんじゃ!!」。

『有吉ぃぃeeeee!』(テレ東)「緊張開催『FIFA22』有吉ジャパン新戦力トライアウト」。

『ガキの使いやあらへんで!』(日テレ)「真の大根役者はどっちだ!!遠藤vs陣内」第3弾。

『ボクらの時代』(フジ)棚橋弘至×オカダ・カズチカ×獣神サンダー・ライガー。

『おかべろ』(フジ)に、ヒコロヒー。

【関連】マツコ&有吉のツッコミが冴え渡る『かりそめ天国』ロケVTRが唯一無二である理由


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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