カメラの前に立ちはだかり、ネタの瞬間ものすごい存在感でエネルギーを放出するお笑い芸人。その姿はまるで気高い山のようだ。敬愛するお笑い芸人の持ちネタをワンシチュエーションで撮り下ろす、フォトグラファー正田真弘による連載「笑いの山脈」。本業はポカリスエット、カロリーメイト、どん兵衛、Netflixなど見たことある広告をいっぱい撮っている人。
かが屋「忘れられない体験」




撮影の合間、加賀さんはずっとご自身のカメラを持っていた。
加賀さんの愛機はNikon D800。プロも使う上位機種だ。
写真の連載を持っているのもうなずける。
日常を切り取る。
かが屋のコントもスナップ写真のように、日常の景色が多く見られる。
何気なく通り過ぎてしまうような日々の出来事も
小さな物語の連続であることを再認識させられる。
今回撮影した『花束』はプロポーズする男と、喫茶店の店員とのやりとりを
現在と過去の時間軸を行き来させながら、その情景や感情の揺れを絶妙に表現するコントだ。
心の機微が描かれた世界にすっと引き込まれ、
コントが終わると、一瞬の静寂と共に質のいい一本のドラマを観たような感情だけが残る。
撮影後に記念写真がてら、おふたりにもう一度シーンを演じてもらい、
僕はお会計するほかの客として、コントの世界に紛れ込ませてもらった。
不思議な没入体験。
それは、ニューヨークで観た体験型シアター『スリープ・ノー・モア』を思い起こさせた。
劇場がひとつの建物(ホテル)で、観客はどのフロアにも自由に動き回ることができ、キャストも入り乱れて目の前で物語が進んでいく。
現実か夢かわからない感覚に陥るのだが、かが屋のふたりの表情を間近で観て、「もし、かが屋のコントの体験型ライブがあったら絶対観に行ってみたいな」と思った。
かが屋
加賀翔(1993年5月16日生まれ、岡山県出身)と賀屋壮也(1993年2月19日生まれ、広島県出身)。マセキ芸能社所属。アルバイト先が同じだったことをきっかけに2015年結成。2019年『キングオブコント』(TBS)の決勝に進出。説明を省いた演技力で魅せるコントが人気。『かが屋の鶴の間』(RCCラジオ)出演中。
関連記事
-
-
「奪われたものは取り返すつもりで生きていく」FINLANDSが4年ぶりのアルバムで伝える、新たな怒りと恥じらい
FINLANDS『HAS』:PR -
牧場バイトからアイドルへ、かてぃが歩んだ多彩な仕事遍歴
求人ボックス:PR