写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
加賀翔(かが屋)、前田こころ&平井美葉(BEYOOOOONDS)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
月曜日は、加賀翔(かが屋)が担当。コント師として知られる一方で、芸人仲間などを撮影した写真の腕前にも定評があり、インスタグラムのフォロワーは10万人以上を誇る。そんな彼が、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
成長したサイン
第3回。私事なのですが、11⽉10⽇に『おおあんごう』(講談社)という⼩説を出版いたしました。これが⼈⽣で最初で最後の⼩説かもしれないので、この場を借りて皆様に⾒ていただけたらと思い写真を撮りました。
⾃分の本というのはなんて愛おしいんでしょうか。本を読むのは好きでしたが書くことには⾃信がなく、僕は⾃分がこんなふうに⽂章を形にすることはないと思っていました。しかしたくさんの⽅に⽀えていただき、いざ形になりましたら、まぁもうメロメロです。この写真に写っているのは皆様の⼿に渡るものなので控えましたが、⾃分⽤の本はすべての⾯に頬ずりして、すべての⾓にキスしました。
今回の写真は各地の書店に届けられる予定のサイン⼊り『おおあんごう』です。合計でなんと1000冊もの『おおあんごう』にサインを書きました。数字だけ聞くと⼤変なように感じるかもしれませんが、僕のサインはとても簡単で書きやすいので腕が痛むこともなく、我が⼦の名札に名前を書いてあげているような愛おしさもあったので、始まれば本当にあっという間でした。
あっという間というのはたとえとか体感とかでなく、僕のサインが本当に簡単だからです。「せっかくだったらサインを書くところを観てもらいましょう」と⽣配信をしていたのですが、サインを書くスピードがあまりにも早いせいで「⼼込もってますか?」とコメントされてしまうほどです。
さすがにそれはよくないなと⼀冊⼀冊丁寧に書くように⼼がけたのですが、1000冊書いている過程でサインが洗練され、途中からさらに早く書けるようになり、結局予定していた時間を2時間ほど巻いてしまいました。絶対気持ち込もってない巻き⽅ですよね。
ただ、予定より早く終わってエネルギーを持て余しているというか、サインを書きたい体になってしまっているためこの成⻑を披露する場がなくなってうずうずしています。
『おおあんごう』読んでくだされば、また機会をいただけるかもしれないのでめちゃくちゃに売れてほしいですね。あとコロナ落ち着いたらいつでもサイン書きますのでぜひ。
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