霜降り明星・粗品『シンパイ賞!!』終了の決め手を考察「あのへんの企画のせいちゃうん?」(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

【関連】キングオブコント優勝9年目のバイきんぐの心境「犯罪でもしない限り急激に出られなくなることはないかな」


『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』

ついに最終回。最後の「シンパイニュース」は、これまで番組で取り上げた人たちの近況。納言・幸、ポンループ・アミ、ダイヤモンド・野澤、ダンビラムーチョ・大原の芸人シェアハウスでは、幸が契約更新を機にシェアハウスを出ようと思っていることが発覚。

そうなったらアミも、「洋次郎さんと住もうかな」と。『水曜日のダウンタウン』で告白を成功させた彼氏との関係がつづいていることがわかってなんだかうれしい。蛙亭・イワクラ、オズワルド・伊藤、ママタルト・大鶴肥満、森本サイダーの「まーごめハウス」も、イワクラが、「森本サイダーの独り言がうるさすぎる」とシェアハウス解消を示唆。どこまで本気なのかわからないけど、どちらも些細な不満を持った女性側からというのが興味深い。当たり前だけど、こういう幸福な関係が永遠にはつづかないというのが、番組終了と相まってとても切ない。

ほかにもヒコロヒー、ニューヨーク、ナダルといった売れっ子からソラシド本坊、さらにはBOOMER、ノッチといった深夜時代の常連組の近況も。それを見てせいやは、「テレビって怖いなって思ったんは、あんだけBOOMERさんがいろいろロケ行ってたのに、『ゴールデン上がったら出れへんのちゃうか』みたいなボケで言ってるけど、マジで出ませんでしたね。マジは引きます!」と苦笑。

「シンパイな生き物図鑑」の話題に及ぶと、「でもリアルに、改編期で番組が終わる、何カ月か前にわかる。あのへんの企画のせいちゃうん? あのへんからちゃう? シンパイ賞がおかしくなったの。あれが決め手やったんちゃう?」と粗品。実際には、あくまで勝手な想像でしかないが、上層部(?)から「このままだったら終わらせるから何か手を打て」などと言われて始まった企画なのだろうなとは思う。だからこの発言を放送に残したのは、制作側からの“メッセージ”とも受け取れなくもない。草薙も「僕らにも、ちょっとやりませんか? みたいなお話来たんですけど、ちょっと違うなって思って断りました」と暴露。「ひどーい」と言われていたが、こうしたオファーを断れる彼らの芯の強さみたいなものを感じる。

世代対決が9対9まで行くも、決着しないまま終わるため、「やらずに終わるんですか?」とせいや。こんなにも芸人やお笑いファンから愛された番組はなかなかないので、この決着を“口実”にすぐにでも、特番はもちろんレギュラー復活への道を辿ってほしい。

『お笑い実力刃』

ゲストはバイきんぐ。彼らを若いころから“買って”いた伊集院光がVTRで出演し、「小峠の暴力的なところがおもしろい。パンキッシュなところが。やってたネタも今よりずっと荒かった」などとコメント。「小峠が作るネタが西村の120%を引き出している。もともと日常生活の中にヤバいヤツがいて、ヤバさがちょこちょこ出てくる瞬間が好きなんだと思う。その世界に一番合うヤツが西村だってわかってるからコンビを組んでる」「すごい理論派。こういう構成にするとおもしろい、こういう響きの言葉を選んだほうがいいというのをきちんと持ってる。ホントにヤバいヤツって若いころ、パンクバンドやります? やらないと思う。ヤバさを表現したいと思うからパンクバンドをする」

そんな小峠は、その独特で過激なツッコミフレーズは何から影響を受けたのかと聞かれ、「BLANKEY JET CITY」を挙げるのがいかにも小峠らしい。「ブランキーの歌詞というのがすごくて。絶対に誰にも真似できないような歌詞なんですよね」「もうよくわからない、いい言葉というよりも、独特な表現方法。オンリーワンのワードというか。その強さっていうのを学生時代に知って」と。だから、なるべく誰も使ってない言葉でツッコミをしようと思っているという小峠。たとえば以前「トリッキー」というフレーズをよく使っていたが、最近、ほかの人が使っているのを見て使わなくなったという。

「影のバイきんぐ」のような存在だと紹介されたのは錦鯉・渡辺。新ネタを作った際は必ず渡辺に見てもらい、「『もっとなんかない?』みたいな。ダメなところとか、もっとボケとか、そういうのいただいてましたね」と意外とも言える関係を明かす。実は『キングオブコント2012』の優勝ネタのひとつ「自動車学校」の中の、タイムカプセルの中から車の鍵が出てくるというボケは、渡辺の発案だそう。ザコシショウの単独ライブも手伝っており、いわば渡辺は「SMAの頭脳」だと。その横で「こーんにちはー!」しか言わない長谷川。「僕しゃべる暇ないんですもん! まじめなお笑いの話して!(笑)」


明日観たい番組:『セブンルール』でフォーリンラブ・バービー編放送

『オトラクションSP』(TBS)爆笑問題、太田光代、フワちゃん。

『華大さんと千鳥くん』(フジ)秋の大ロケ2時間SP。

『マツコの知らない世界』(TBS)「ローカルパンの世界」。

『THE百王』(TBS)神奈月、ホリ、原口あきまさ、ビューティーこくぶ、荒牧陽子、Mr.シャチホコ、みはる、みかん、りんごちゃん、JP、むらせ、河合郁人、松浦航大、よよよちゃん、山田七海、喉押さえマン。

『ロンドンハーツ』(テレ朝)「ドッキリ部屋脱出ゲーム」かまいたち。

『霜降りバラエティー』(テレ朝)「新旧R-1王者対談 ゆりやんと話したいねん」後編。

『にゅーくりぃむ』(テレ朝)「クイズそっくりフェイス」。

『ぼる塾の煩悩ごはん』(テレ朝)大久保佳代子。

『イグナッツ!!』(テレ朝)五輪閉会式&Mステ裏話フリートーク。

『チマタの噺』(テレ東)石井亮次。

『セブンルール』(フジ)バービー。


この記事の画像(全2枚)


この記事が掲載されているカテゴリ

てれびのスキマ

Written by

てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森田美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。