「人生捨てたものじゃないと思えた」とSKY-HIが漏らした15人のパフォーマンス【『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』レポート#11】



リーダーとしてのプレッシャーを抱えるショウタ

焦りや自信のなさからメンバーが悩むなか、最年長のショウタはチームをまとめる難しさを感じていた。SKY-HIから「まとめるのが上手」というお墨つきを得るほど人格者な彼だが、10歳の年齢差の影響は小さいものではない。「自分の中の意識が、メンバーを気遣うほうに傾き過ぎちゃってる。それがクリエイティブなのだろうか」と、不安そうな言葉が飛び出した。

「いろんな人のアイデアを引き出す心が求められるし、そのなかでちゃんと自分の存在を発揮できるアーティシズムも求められる。非常に難しい役回り」と、SKY-HIはリーダーについて語った。

積もり積もった想いは、6日目の中間発表の直後に突然の涙を彼に引き起こさせた。「チームのことを考え過ぎていて、全然自分が出せない」と想いを吐露。「重たかったのに、やっと気づいた。大丈夫だと思っていたんですけど……」と、ここにきてようやくすべてを背負いこんできた事実を自覚したのだ。いつになく弱々しい背中にSKY-HIは、「よくあんなチームをまとめてくれたよ」とそっと寄り添った。

そのあとのリーダー・ショウタは、息を吹き返したようにたくましかった。7日目の夜には、パフォーマンスのクオリティを上げるためにショウタがメンバーを招集したのだ。そこで「子供と大人がダンスしているように見える」という課題が挙がった。

「まだまだ子供なんだ……」と、苦虫を嚙み潰したような表情をするふたり。彼らへ向けてショウタは、「年齢が13歳なのは事実。そのなかで、ふたりがめちゃくちゃがんばっているのも超事実。超すごい。プロフェッショナルで同じ目線だけど、13歳で超がんばってるのは、俺らからしたら超ハンパない。俺が13歳だったら、絶対にできなかった」と称賛を送った。その裏側には、「一番はみんなが楽しんでほしい。リーダーとしては、5人で次の審査へ進みたい」という熱い想いが宿っていた。

バースデーサプライズ

エンタメ要素を極力省いたオーディションである『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』。それでいて、日常の中で大切なことを疎かにしない姿勢も貫かれていた。

2日目には、ショウタのバースデーサプライズを実施。チームCのプリプロでショウタと一対一になり、何の違和感もなく食堂へ誘導するSKY-HIの手腕が見事だった。神妙な面持ちでふたりが食堂へ入ってくると、ボーイズたちの“Happy Birthday to You”が、ピリッとした空気を軽やかにぶち壊す。予想だにしない展開に、全身から力が抜けてその場に横たわるショウタ。「だるっ!マジで!」と渾身のひと声を放つと、食堂は笑い声であふれた。


SKY-HI、ステージ上から激励

8日目には練習スペースに集合して、全員でSKY-HIのオンラインライブを鑑賞する時間も設けられた。食いつくようにライブを観る15人。セットリストの最後に「To The First」が流れると、ボーイズたちの歓声が上がった。

ここには、「自分だったら、どうパフォーマンスするかを想像してほしい」というSKY-HIの思惑があった。参加者たちにとってのSKY-HIは、憧れの存在のひとりであることは事実だ。しかし、だからといって、彼のパフォーマンスが正解なわけではない。ステージに立つ経験をした15人に、自分なりの答えを見つけやすくしてほしかったのだ。

ライブで「To The First」のサビを流したことに関して、「あれは、激励。俺たちの歌なので。あの瞬間、彼らはステージに立っていたと自分は認識しているし、世の中に対しても『To The First』をもってして“THE FIRSTが始まってるぞ”と提示したかった」と語った。

SKY-HI / To The First (Prod. Ryosuke “Dr.R” Sakai) -Music Video-

「死ぬまで音楽をやっていきたいと思った」


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坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

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