合宿審査がスタート。SKY-HI「人生を懸けてくれた参加者のために」【『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』レポート#8】



創造力が試されるクリエイティブ審査

今回の合宿における大きな特徴のひとつは、午前中をまるっと基礎練習に割いていることだろう。これはSKY-HI自身が、「もっと若いときから基礎をやっておけばよかった」と後悔しているからこそ。

「カミツレベルベット」に合わせて腹筋をしたり、「Snatchaway」に合わせて体幹トレーニングをしたり。毎日、45分間踊りっぱなしのスケジュールをこなしていく。もちろんダンスだけではなくて、ボイストレーニングも組み込まれている。ただ歌うだけでなく、心・技・体で表現することを学んでいった。

午前中は基礎にがっつり打ちこむ一方、午後は審査課題を詰めていく。1回目の審査会の内容は、クリエイティブ審査だ。5人ひと組のチームになり、審査のために用意されたトラックにメロディー・歌詞・振りをつけて曲を完成させる。各チームにはラップが得意なメンバー、作詞・作曲の経験があるメンバー、ダンスが得意であったり振り付けを作る能力があるメンバー、さらに未経験のメンバーがバランスよく配置された。

気になる審査用トラックは、SKY-HI「New Verse」のプロデュースを手がけたMatt CabとMATZが制作した。思わぬ豪華ゲストの登場に、参加者たちは驚きを隠せない様子だった。

『THE FIRST』を体現するチームC

つづいて、各チームの制作の様子が放送された。チームCのメンバーは、ルイ、レイ、シュント、タイキ、ショウタである。

楽曲のテーマを固めていく際には「内側からサビで広がっていく」「雨上がり感」「通勤」など、自由なイメージをそれぞれが発言。メンバーの意見を交えながら、共通するテーマを探っていく。話し合いは、作詞・作曲経験のあるショウタを中心に展開された。それぞれのよさを活かしながら意見をまとめていく姿には、「ショウタがリーダーシップを完璧なかたちで発揮している」とSKY-HIも絶賛だった。

それぞれがメロディーラインを自由に歌いながらアイデア出しを行った際、未知なる可能性を魅せたのは未経験のレイだ。固定概念に捉われることがなく、メロディアスなラインは、思わずMattが「今のサビ、ハンパないですね!」とこぼしてしまうほど。SKY-HIも「信じられないくらいのメロディーセンスを持っている。曲を作るのが初めてで、このラインができるの?」と驚きを隠せない様子だった。

さらに、そんなレイを見て喜ぶチームメンバーを見て、「クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファーストを体現しているチームCの曲は、『THE FIRST』そのものと言っても過言ではないかもしれない」と称賛した。

雲行きの怪しいチームB

チームCが大絶賛される一方、渋い評価となったのがチームBだ。メンバーは、ジュノン、ラン、リュウヘイ、リョウキ、シュンスケの5人である。

曲のテーマを話し合う段階から「青空が浮かんだ」「空の下のパーティー」「ライブステージ」など、それぞれが思いつきで意見を出すだけでまとまらない。SKY-HIから「ノリで歌っていってふくらませることもできるよ」と助け船を出されるも、誰も動き出すことがなかった。

どこかギスギスした空気のなか、先陣を切ったのは未経験のリョウキだった。「やり方は、わからないけど……」と言いながらも、マイクの前でグルービーなフロウをかました。そのあとにほかのメンバーがつづく展開が期待されたが、誰も立ち上がろうとせず、無情にも時だけが過ぎていった。

話し合いにおいても、リョウキが指揮を取っていく。どうにかして構成をまとめようと尽力するも、それぞれの意見がぶつかって形にならない。あまりにも話がまとまらず、SKY-HIから「宿題を出したほうがいいかもね」と言われる結末だった。

次回、課題制作で浮かび上がる参加者たちの苦悩が明かされる

5月28日に放送される#9では、チームAの課題制作の模様やパフォーマンスが披露される予定だ。合宿を通して徐々に見えてくる、それぞれのキャラクターにも注目しながら追いかけてほしい。

【『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』#9放送&配信予定】
■2021年5月28日(金)朝8:00~『スッキリ』(毎週月~金曜朝8:00~10:25、日本テレビ系)
番組URL:https://www.ntv.co.jp/sukkiri/
※放送日時変更の可能性あり

■5月28日(金)20:00~『Hulu』
番組URL:https://www.hulu.jp/the-first-bmsg-audition-2021


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ライター_坂井彩花

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坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

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