かまいたちが語る、YouTubeの戦い方「“芸人なんで”というトガりは必要ない」(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


それぞれの考え方でYouTubeに臨む芸人たち

『ゴッドタン』「YouTube芸人サミット」

YouTubeを始めた理由が、「賞レースだけを目指すのはリスクが高すぎるから」というニューヨーク。さらば青春の光は「少しでも金になれば」「テレビ向きの企画を実践して自分たちのアピールをしたい」。どちらかというと受け身で「まわりが始めたから」というダイアンなど三者三様。

そんななかで「新しいバトルの場」として始めたかまいたちは、YouTubeを研究し尽くしているのがおもしろかった。彼らが解説を始めると「めっちゃ調べてるやん」というツッコミ。これに濱家は「『めっちゃ調べてるやん』って笑ってるところがまだ“芸人”ですね」。YouTubeで成功するためには「芸人」の意識を捨て「YouTuber」にならなければならないと説く。山内も「『俺、芸人なんで』っていうトガりは必要ない」と言い、「YouTubeはみんながやってることを自分もやるのがいい」と主張。

一方「かまいたちに比べると、凝った企画」をやっていると指摘されたニューヨーク。「かまいたちさんはテレビでちゃんとおもろい姿を見せてるんで。僕らはテレビでまだおもろい姿を見せてないのに、YouTubeでおもんない姿見せたら、ちゃんとおもんないやつになってまう」と屋敷。

立場や考え方、動機などによって、まったく違う作り方をしていて、それらが全部成立しているところにYouTubeのスゴさを感じた。

『24時間テレビ』

深夜パートで、有田哲平と指原莉乃がMCで日テレの秘蔵映像を観る企画。『くりぃむしちゅーのたりらリラ〜ン』の「ベタドラマ」が流されると「ステイホーム期間も引っ張り出して観たんだから!」と身を乗り出し、当時のことを思い入れたっぷりに語る有田。関根勤はこのベタドラマで初めてテレビで泣いたという。僕もこの企画が大好きだった。ほかの番組について語るときも同様だけど、有田の記憶力とディテールの語り口が絶品。

『浦安鉄筋家族』

放送が再開。コロナで撮影ができない時期に舞台となった家が取り壊されてしまった、という前代未聞のできごとで話題になったけど、当然本編でもそれを思いっきりネタにしていておもしろかった。それが許されるコメディだから良かったけど、シリアスなドラマだったらと思うとゾッとする。

『人生最高レストラン』

ゲストにミッチーこと及川光博。MCの加藤浩次とは同い年の51歳。「ちょいちょいカメラ目線、なんなんですか?」と聞く加藤に「やらずにはいられない(キラッ!)」とミッチー。

「及川光博」がプロデューサーで、「ミッチー」がそれを表現しているという話に得心した様子の加藤。「及川くんはけっこうネガティブ」「楽屋に悲しみを置いてくる」とミッチー。忌野清志郎にかわいがられたことが「人生の誇り」と言うが、清志郎は「及川くん」に惹かれたんじゃないかと加藤は指摘する。そんな清志郎が、悩む及川に語った言葉は「馴染んでどうする。ずっと浮いてなさい」。

今日観たい番組

『ガキの使い』(日テレ)は「隠れラッキーお菓子を探せ」。

情熱大陸』(TBS)は上白石萌音。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。
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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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