『久保みねヒャダ』で語られた「今のご時世の割り切り」と「熱意って罠」(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


『100日後に死ぬワニ』炎上についての至言

『天然素材NHK』、入門編的番組なのに絶対普通じゃできない高度な技ばかりしてる『ヨーガ健康法』、マラソンランナーの心情をひたすらナレーションしてる『42.195キロの対話』、お蔵入りになったという『霊媒師ラインハートの交霊実験』、『しゃべり場』伝説の立川談志回、増子直純の『視点・論点』などNHKの膨大なアーカイブの中から、貴重だったりなんだこれ?っていうような映像を紹介する番組。たぶん、NHK開局記念特番か何かで見たものが多かったけど、いくらでも貴重な映像があると思うので毎週やってほしい。今改めて見る『爆問学問』のやなせたかし回は沁みる。やなせ「人間、ばい菌との戦いは永遠に続くんです」。

『伯山カレンの反省だ!』、お互いの子どものころの写真を見ながらトーク。9歳のころのカレン「モテたことないんですよ。みんな私のヒジくらいだった。好きだった男子もヒジくらい」。自分の身長の高さを「ヒジくらい」と形容する滝沢カレン、スゴい。スカウトされたくて渋谷のスクランブル交差点を歩いていたというカレン「うちの家族は芸能界は服を全部脱ぐ場所だと思ってた。絶対あなたも裸にされるんだ!って」「歌手に今だってなりたいですよ。歌は作るものではなくて出てくるもの」。

『さんまのお笑い向上委員会』、自身のVTRを見てさんま「自分自身、ダイジェストで見ると社会不適合者ですね」。

『ネタパレ』、距離をとったままネタをし、CGで距離を近づけるという試み。それに加えて、バーチャル背景で漫才の内容の背景を映すのは、ちょっとサービス過剰な(手法は全然違うけど)『エンタの神様』感。かが屋のコントはCGならではのおもしろさが出てたので、コントはこの手法に可能性があると思った。

『久保みねヒャダこじらせナイト』。「今このご時世を、全力で手さぐりができる時期だと割り切るのはすごくいいことなんじゃないかと私は思ったんだよね」と、能町みね子と一緒にYouTubeを始めた久保ミツロウ。「誰かにつまんないとか見てないとか思われても、それでもやりたいことってなんだっていう」と語る。その流れからYouTuberなどが「それ、つまらないから」と途中でツッコミがちという話に。久保「自分の中の他者視点が内在化してるからそういうツッコミになっちゃったりしてる。だけど、つまんないと思われてもいいから自分のやりたいことを手探りでやりたいなって」。

『100日後に死ぬワニ』最終回後の炎上について能町は「『熱意』がある人(からグッズ化などの誘い)を受けた結果ですよ、この惨劇は」と分析。「熱意って罠。熱意だけの人、ホントこういう風に失敗する」。確かに。自分の経験を思い起こせば起こすほど「熱意って罠」は至言。

今日観たい番組:“寝たきり芸人”あそどっぐに密着『NNNドキュメント』など

『NNNドキュメント』「僕を笑えますか?~障害者×お笑い~」(日テレ)。『バリバラ』でもおなじみの“寝たきり芸人”あそどっぐに密着。ナレーションは風間俊介。

『関ジャム』(テレ朝)は、「教科書に袋とじで載せたいオトナの名曲」第2弾。

『おしゃれイズム』(日テレ)に小池栄子。

船越英一郎主演で『家栽の人』(テレ朝)。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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