武漢出身モデルのリアルなレポート。母親はコロナ専門病院勤務、自身は76日間自宅待機(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


『家、ついて行ってイイですか?』特番のハイライト“ベリーダンサーミステリー”

『ヒルナンデス』「ハンドメイド主婦に弟子入り」で春日が作ったダンベル飾り(2000円)がまさかの落札。「かなりキテレツな商品に出会い、『これはもしや…』と直感が働き購入」したという落札者は、「リトルトゥース(『オードリーANN』のリスナー)」だったという奇跡。

「飾り紐」ではバイきんぐ西村瑞樹を思いテントの目印を作る春日。番組はわざわざ西村に取材。「春日くんは粋なものを作るね」と喜ぶ西村は春日とのキャンプの思い出を聞かれ「ずっと焚き火しながら無言で2~3時間過ごしてた」「なんか話そうかなと思ってたんですけど、焚き火に見入っちゃって……」と回答し、「芸人ではなくキャンパーとして語る西村。撮れ高など気にしません」というナレーションをつけられる。最後に「今後も小峠をよろしく」と番組側にお願いする。西村「僕は観る側の人間ですから」。

『家、ついて行ってイイですか?』4時間半スペシャル。大半はこれまでの放送で特に記憶に残る人たちを振り返り、「その後」を追加取材したもの。耳が聞こえないギャル(今はみんなマスクをしているから口元が見えず相手がしゃべっていることがわからないという)に彼氏ができたっていうのも微笑ましかったし、今回のゲストであるファーストサマーウイカのブレイク前の映像も懐かしかった。

そんな中でも印象的だったのが武漢出身の女性モデル。渋谷駅のポスター広告のモデルに起用されるなどいよいよモデルとしてこれからというなかで、旧正月に正月休みで帰郷。そのまま都市封鎖になってしまい、日本に戻って来られなくなってしまった。買い占めが起こったときの様子などを生々しく語り、「焦りと不安が空気の中に漂ってる感じだった」という。母はコロナ専門病院でPCR検査担当。ピーク時は毎日数百件の検査をしていたそう。「生きてることだけですごくがんばってる時期だった」と。76日間外出できなかったが、ようやく日常が戻りつつある武漢。あまりにも貴重でリアルな、報道番組ではなかなかできないであろうレポートだった。

そして今回の特番で出色だったのは新作の“ベリーダンサーミステリー”。今年3月、ベリーダンスを生業としているという女性に声をかけた番組スタッフ。自らダンスを見せてあげるとカラオケ店に誘う彼女はギャラとして2万円を請求。裏の『水曜日のダウンタウン』に出てきそうなヤバめな感じ。結局、仕方なく5000円を払うも機嫌を損ね、家について行くことを拒否されてしまう。だが、実は遡ること1年3カ月前にも別のスタッフが声をかけ、家に行っていたことがわかる。さらにその10カ月後にも……。時間を遡りながら見せる演出が秀逸。やっぱり目立つからディレクターは声をかけてしまうし、それだけ取材の数を重ねているんだろうということがよくわかる。けど、何しろ強烈なキャラクターだった。深刻な話題から、ヤバめの素人までを等価に扱い、軽妙に描くこの番組の真骨頂が存分に発揮されていた。

『ロンハー』パンサー尾形ドッキリ。パンサーに追加メンバーを入れようという提案をするというもの。ギャラが少なくなることを危惧するが、逆になぜか40%もらえるとなるとすぐに前向きになるのも尾形らしかったが、芸歴がリセットされるという話に「第7世代に入れるってこと?」「第8世代くらい? それはメリットあるね」と素直に食いつくのもおもしろい。名前はそのままでという菅に「変えちゃってもいい。がっつりイチからやったほうが若手って言い切れるじゃん」と尾形が提案したグループ名が「コヨーテ」。

今日観たい番組:『その素顔が知りたい。俳優・中村倫也』撮影現場に密着など

『勇者ああああ』(テレ東)はR-1芸人による「ゲームガンジー選手権」。

『その素顔が知りたい。俳優・中村倫也』(日テレ)。映画『水曜日が消えた』の撮影現場に密着。

『オドぜひ』(日テレ)は若林が「春日にマジ変身!?」とのこと。

【毎日更新】きのうのテレビ(てれびのスキマ)
5月13日 オードリー若林、第7世代に「すごい地味な戦いの4年間が絶対くる」
5月12日 真っ当で理知的なフワちゃん、「地獄のスベリ」を知る狩野英孝の助言
5月11日 アフターコロナの核心を突いた、フワちゃんの言葉(てれびのスキマ)
5月10日 『M 愛すべき人がいて』相性抜群だった伊集院光&古市憲寿の解説


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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