『M 愛すべき人がいて』相性抜群だった伊集院光&古市憲寿の解説(てれびのスキマ)

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昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


「ミニスカート陸上」「パンティ仮面相撲」「尻ベーター対決」バカバカし過ぎる深夜番組の企画

『有吉反省会』プー・ルイが「趣味でやっている手芸のクオリティが低いにもかかわらず、グッズ販売で荒稼ぎしている」ことを反省。禊(みそぎ)として光浦靖子から手芸を習い、有吉、博多大吉、バカリズム、大久保佳代子ら番組レギュラー陣の人形を作り直すことに。「みんな人形向きの顔」という光浦。その理由は「みんな笑ってないんだよね。笑ってるんだけど笑ってない」。

『くりぃむナンチャラ』「ミニスカート陸上」や「パンティ仮面相撲」など番組オリジナル競技の総集編。どちらも見せてはいけないものを見せたら負けという単純なゲーム。あまりにもくだらなくて何度見てもおもしろい。後者はもはや修正なしで股間丸出しで放送しても、バカバカしさが突き抜けているから大丈夫なんじゃないかと錯覚してしまうレベル。有田「ナメてるんですか、深夜番組を」。

『ゴッドタン』劇団ひとりvsキングコング西野の総集編。仰向けに寝転んだ相手に、お尻を顔に近づけていく「尻ベーター対決」。こちらはむしろなぜ放送できているのかわからないレベル。

『M 愛すべき人がいて』伊集院光と古市憲寿が副音声をつけて第1話を再放送。伊集院は自身のラジオでこのドラマの“香ばしさ”を何度となく語っていたが、公式の副音声にもかかわらず「『仰天ニュース』、『アンビリバボー』、最終的に“青汁のCM”になるんじゃないかっていう香ばしさなんですよね」などとそのトーンのまま参加。最初は「なんで古市さん?」と思ったが、彼も同様のトーンでありつつ、意外なほど90年代のエイベックスや浜崎あゆみまわりのことに詳しく、ツッコミだけでなく、いい解説にもなっていた。結果、抜群の組み合わせ。

『M』は田中みな実の「M」だという伊集院は「彼女の生真面目さみたいのが、香ばしいほう香ばしいほうに出てる」「この演技に田中みな実の真面目さと不器用さが両方出てる」などと分析。「大映ドラマを超えて、『日本昔ばなし』の世界」と終盤のトンデモ展開を形容する伊集院「こうやって茶化してると、(逆に)茶化させられてるのかな監督に」。このふたりの副音声つきでこそ観たいドラマ。古市「ホントはこの副音声、浜崎さんと松浦さんにやってほしいですよね。あのふたりがこのドラマをどう観てるのか」。 

『あいつ今何してる?』に神田伯山。小学生時代、「明日地球が滅亡するとしても勉強する」と言っていた秀才の親友を調査。中学受験を前にいっぱいいっぱいになって担任から「今のあなたは嫌い」と注意されるほど、まわりの人への接し方がよくない方向になっていた彼と常に仲よくして遊んでいたのが伯山だったそう。伯山はマジメな彼と一緒に悪ふざけをしていたため、卒業のとき、担任から「古舘(=伯山)たちとつるんで悪くなったけど、よかった」と言われたと。すごく感謝しているという彼だが、番組では触れられていなかったけど、おそらく伯山もこのころ、父が亡くなって明るかった性格が変わっていった時期。伯山にとっても彼は心の支えのひとりだったんじゃないか、と想像すると胸がいっぱいになる。

長い間、アメリカに暮らしていてかつての親友が講談師になっていることを知らなかった彼が番組から電話がかかってきたとき、「神田くん? 知らないなあ」と電話を切る直前、名前を検索しその写真を見た瞬間「あ、古ちゃんだ!」ってなったエピソードもいいし、番組で話すまで記憶を塗り替えられないために伯山の出てるものを観なかった(録画は全部して、これから観るのが楽しみ)、という話もとてもよかった。

今日観たい番組:考え得る最高クラスな座組み『あたらしいテレビ 徹底トーク2020』など

『あたらしいテレビ 徹底トーク2020』(NHK)。テレビ東京・佐久間宣行、日本テレビ・土屋敏男、脚本家・野木亜紀子、メディアプロデューサー・疋田万理、音楽クリエイター・ヒャダイン、YouTuber芸人・フワちゃんという考え得る最高クラスな座組み!

『TVチャンピオン』(テレ東)、「大食いから手先が器用まで…もう一度見たいリクエストSP」。

伊藤淳史、寺尾聰主演のドラマ『白日の鴉2』(テレ朝)。

【毎日更新】きのうのテレビ(てれびのスキマ)
5月9日 不条理にこそリアリティがある。風刺的で希望に満ちた「転・コウ・生」
5月8日 第7世代レディースぼる塾「体張ること」「大食い」「水着」がNGな理由
5月7日 「僕は演劇を観ている!」と涙した『12人の優しい日本人』
5月6日 SixTONESへのおもしろいけどためにならない「ひな壇」レッスン


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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