『水ダウ』でパンサー尾形が約7時間かけて落とし穴脱出「何がおもしろいんですか、これ?」(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『水曜日のダウンタウン』

「落とし穴に落ちたのに一向にネタばらしが来ないまま日が暮れたら正気じゃいられない説」と聞いて「正気じゃないのはここのスタッフや」と松本。自力では脱出できない深さ3.3mの落とし穴に落とし、6時間放置するというドッキリ企画。松本「なんでそんなことするの?」。

落とされるのは『芸人トレジャーハンティング王決定戦』という偽番組(MCがかまいたちという設定もいかにもありそう)に集まったナダル、ニッポンの社長ケツ、蛙亭・中野、チャンス大城、パンサー尾形貴弘の5人。何かのトラブルで放置されているというリアリティを出すため、ダミー芸人たちを用意して30人が別場所からスタートし、スタッフのミスが起こりそうな状況を作ったり、ロケが進行していると思わせるアナウンスを流したり、ロケ車が移動する音を聞かせたりと手が込んでいる。極めつけは落とし穴の中に10年余り前の番組『キングオブチェアー』のロケ資料があり、そのために作られた穴だと思い込ませる。怖い。あまりに非人道的。しかも念のため、壁には油を塗っておくというたちの悪さ。松本「どういう思いで油塗ったんやろ、スタッフ?」。

ドッキリなのかトラブルなのか判断がつかない面々が多い中、ナダルは早々にドッキリだと確信。おそらく『水曜日』であることもわかっていたのだろう。ずっとスタッフに悪態をつきながらウソをついてスタッフをおびき寄せようとする。

一方、尾形は自力での脱出を試み始める。頭上に張ってあるロープに目をつけ、着ていたジャージを結んでお手製のヒモを作り、それをロープに引っ掛ける作戦。が、両端を手から離して投げてしまい、一発でジャージを失うといういかにも尾形らしい凡ミス。しかし、そんな尾形の自力脱出への挑戦が企画趣旨を大きく変える奇跡を起こす。ネタバラシ後の「一週間とかやるつもりだったんですか?」というコメントから、おそらく尾形は『水曜日』の「落とし穴から脱出できるか」のような企画だと思っていたのであろう。『水曜日』なら脱出するまでいつまでもやりかねない。そう思ったのか、諦めることなく挑戦をつづける。『ロンハー』のドッキリ企画でも、尾形の類まれなまっすぐさでどんどん想定外の方向に流れていったが、『水曜日』でもそんな事態に。「冤罪の無期懲役囚」状態で“脱獄”に向け試行錯誤を繰り返す尾形は、「ひらめくねえ」と自画自賛する「尾形らしからぬ知恵」も飛び出し、地上へと近づいていく。いつしかパネラーたちも「行け―!」と応援モード。6時間が経過し、ほかのメンバーにはネタバラシをするが、尾形だけは続行し、ついに7時間12分、自力での脱出に成功する。「何してんすかこれ? 腹立つわぁ」という静かなトーンが怒りの深さを物語っていた。「何がおもしろいんですか、これ?」「おもしろくなってるんですか?」と問いかける全裸の尾形がたまらなくたくましく見えた。ひとりの「『ショーシャンクの空に』を観てるみたいだった」という感想が決して大げさではなかった。

『おげんさんといっしょ』

第5弾の今回はついに、おげんさんファミリーが「サザエさん一家」を歌うところからスタート。最後は「おげんさん おげんさん おげんさんは愉快だな~♪」に変えた、この日本一有名なファミリーソングの楽しさったらない。そして今回の目玉はなんといっても「加地さんにさっきメール」して許可をとったという『パペトーーク』と題された『ハッチポッチステーション』『クインテット』とのコラボレーション。グッチ裕三とジャーニー(林家正蔵)の往年のやり取りが最高。そしてやっぱり「GUEEN」のクオリティの高さは改めて驚く(僕はこの曲が原曲に勝るとも劣らないくらい好きで何度も聴いていた)。「当時の子供も洋楽に親しみがなくてもグッチさんとかみんなのおかげで洋楽を知れた」「日本の音楽にすごく影響を与えてると思うの」とおげんさん。実際そうだと思うし、今は『おげんさんといっしょ』が豊豊さんのコーナーとかを含めてそういう番組になりつつあると思う。

そしておげんさんもパペットで歌う「うちで踊ろう ハッチポッチ・クインテットといっしょver.」(クレジットにはちゃんと人形操演の人たちの名前も)の多幸感たるや!「ちょっと今、おげんさん、本当に泣いてるんだけど」と涙ぐむおげんさん。『サザエさん』からお父さん&ねずみの「デイ・ドリーム・ビリーバー」、そしてこのふた番組への流れ、ということもあって、なんだか今回は「夕方感」があった。夕方の楽しさの中に寂しさもある独特のエモーショナルを感じた。


明日観たい番組:金スマでずん飯尾特集

『ザ・ベストワン』(TBS)「ベストワントーク」はチョコレートプラネット×かが屋×吉住。

『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレ朝)「京都&日光の最新・超高級ホテルを大久保佳代子&浜口京子が体験」。

『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)ずん飯尾特集。

『全力!脱力タイムズ』(フジ)「解説員の不満解消のために!?の巻」。

『タモリ倶楽部』(テレ朝)「私は貝を抜きたい!ぬきもちいい貝決定戦~冬の陣~」。

『ジロジロ有吉』(TBS)「ジャンポケ太田の新特技開発!おたけ美ボディ大会」。

『しくじり先生』(テレ朝)松本明子。

『ドキュメント72時間』(NHK)「大都会 24時間営業の格安弁当店」。

『あさイチ』(NHK)「プレミアムトーク」に滝沢カレン。

『A-Studio+』(TBS)に前田旺志郎。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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