【密着取材】女子13人の「告白」を描く『青春高校3年C組女子アイドル部』MV撮影現場

2020.1.22
『青春高校3年C組』

文=野坂瞳 撮影=大橋祐希


秋元康がまた新たなアイドルを世に送り出す。
2018年にスタートしたテレビ東京のオーディション番組『青春高校3年C組』から生まれた、女子アイドル部だ。デビュー曲は、秋元康が作詞をした「君のことをまだ何にも知らない」。MVは、同番組プロデューサーの佐久間宣行と松本壮史が共同で監督を務めた。
MVのテーマは「告白」。今回はその撮影現場に潜入した。13人の女子アイドル部メンバーたちはそれぞれどのように「告白」を表現したのだろうか。


12月某日、関東鉄道守谷駅にて

青春高校3年C組女子アイドル部

12月某日、関東鉄道守谷駅の構内に、「青春高校3年C組女子アイドル部」13人の姿があった。制服のミニスカートの裾が、冷たい風にふかれて揺れる。当日の気温は5度、吐く息が白い。はしゃぐ生徒達を、まるで担任の先生のように束ねる佐久間プロデューサーから「寒いけど、秋口くらいの気持ちでやって!」と声がかかった。メンバー・川谷の、「寒くなんてない! むしろ暑い暑い!」という陽気な声がホームに反響している。

番組内で結成された4つの部活のメジャーデビューが発表されたのは、11月6日の放送時。そのなかでも女子アイドル部は、一番初めに結成された部活ユニットだ。歌番組・アイドルフェスへの出演や、選抜メンバーが『プレイボーイ』の巻頭グラビアを飾るなど、番組の広告塔の役割を果たし、青春高校を引っ張るエースとしてその存在感を強めてきた。そんな女子アイドル部が務める表題曲「君のことをまだ何も知らない」の仮歌が放送されたのは、デビュー発表の翌日。そこから短期間で、メンバーは歌とダンスの稽古を、制作チームはMVの撮影準備を進めてきた。

今回のMVで監督を務めるのは、前作「青春のスピード」同様、松本壮史。13人のメンバーがそれぞれ初めての告白に挑戦するという内容で、佐久間Pと松本監督が共に演出案を制作したという。この1カ月間、生徒たちはかなり忙しい日々を送ってきたはずだが、皆一様に明るい表情を浮かべている。「1月にはメジャーデビューが待っている」、彼女たちのそんなわくわく感が現場いっぱいに広がっていた。

頓知気さきな、告白シーンの現場

本を読む頓知気さきな

この日撮影されたのは、センターを務める頓知気さきなのソロシーン。「通学電車で一緒になる男子生徒に片想いする女子生徒」という役柄だ。頓知気の相手役は、青春高校のクラスメイトである久保侑大。撮影は、通学電車のなかで読書をする頓知気が、久保にちらちらと視線を送る、というシーンからはじまった。佐久間Pが電車の座席に座る頓知気へ、細かく演出をつけていく。「本を4行読んで……少し恥ずかしそうな感じで、ちらっとこっちを見てみようか。また本を読んで、今度は5行くらい……」。落ち着いて指示に応える頓知気。好きな人を見つめたいけれど、目が合うのが怖くて、なかなかじっくり目線を送れない……そんなもどかしさを感じさせるような、初々しい表情を浮かべている。その様子を松本監督がモニター越しにじっと見つめる。数テイク重ねたのちOKの声がかかると、現場はバタバタと次のシーンの準備へ。カメラマンやADが機材を抱えてせわしなく移動するなか、頓知気はふうっと、小さく息を吐いていた。ほっとしたようにも、気合を入れなおしているようにも見えた。

演技を確認する佐久間宣行プロデューサー

頓知気「演技じゃなく、本当に緊張しちゃいました」


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