m-floと宗教と曲作り「大切なのは<違ったもの>をいかに取り入れるか」

2020.1.15


哲学は「<違ったもの>をいかに取り入れるか」

VERBAL みんな間違ってるかもしれないし、みんな合ってるかもしれないし、誰かひとりが合ってるかもしれないですけど、絶対、真実ってひとつしかないと思うんですよ。例えば、ここにあるこのコーラは「コーラ」だっていう。そういう意味で、人生ってやっぱなんかひとつ「これだ」っていうのがあるんじゃないか。

TAKU 俺はVERBALと逆で、例えばこのコーラを見て、「これはコーラじゃないかもしれない」と思う。

―――でも、そうやって疑って疑って、最後に残る「コーラの真実」みたいなのが分かったら、「コーヒーカップの真実」も分かるし「テーブルの真実」も分かるし、「世界の真実」も分かる、みたいな(笑)。

TAKU そうそう。それはある。

―――だからVERBALさんとTAKUさんの言ってることは矛盾してないと思いますよ。

TAKU うん。

―――なんかすごい話してんなー(笑)。

VERBAL でも、こんなこと話せる人たちじゃなきゃ、メッセージ性のあるものはできないと思うし、インスト的な音楽だったとしてもただの猿真似になって深くなんないし。自分の哲学がなきゃいけないっていうことだと思います。

―――「My Philosophy(※2)」ですね。

TAKU 俺の哲学は「片寄らない」。手塚治虫先生が言ってた有名な話で、誰かが手塚先生に「すいません、僕、マンガ家になりたいんですけど」って言うと、「じゃあ、たくさんいい映画を見なさい。たくさんいい音楽を聴きなさい。まったく違うものにいっぱい触れていくと、いいマンガ家になれるよ」って。そのフレーズはすごく残ってますね、今でも。でも、まあ、これは俺の哲学であって……とにかく、みんな3人とも、違うんです。

LISA 性格もかなり違うんだよね。

TAKU 例えば、LISAとVERBALがまったく逆な意見だったり。俺の意見が違ってたり。「合わせてない」って言ったら嘘ですけど、みんな違うからこそm-floでやれるんじゃないかと思います。なんか美しいまとめ方ですけど(笑)。

最後に、これほんとに、マジで言いたいのは、“musically, spiritually, mentally, eclectics”。「音楽的にも精神的にも、違ったものをいかに取り入れるか」っていうことなんですけど、僕たちみんなが歌とかラップで表現したいもの、それは、“スープ”じゃないんです。“サラダ”なんです。


※2:1988年にブギ・ダウン・プロダクションズが発表したアルバム『By All Means Necessary』に収録された曲のタイトル。


m-flo_kyo

m-flo(エムフロウ)

1998年にインターナショナルスクールの同級生だった☆TakuとVERBALの2人で活動をスタート。後に、ヴォーカルとしてLISAが加入し、m-floとして本格的に始動。☆Takuの卓越したクオリティのトラックにVERBALのフロー、そしてLISAの表現力豊かなヴォーカルが評判となり、インディーズでリリースした曲は驚異的なセールスを記録。

99年7月に1stマキシシングル「the tripod e.p.」でメジャーデビュー、オリコン初登場でいきなり9位をマークした。その後も快進撃を続け、シングル12枚、オリジナルアルバム2枚をリリースし大ヒットをおさめた。2ndアルバム『EXPO EXPO』に至っては80万枚のセールスを樹立し、日本の音楽シーンに強烈なインパクトを与えた。

2002年にLISAがソロ活動に専念するため、惜しまれながら脱退を決断。03年、VERBALと☆Takuの2人となったm-floは、さまざまなアーティストとコラボしていくという”Loves”シリーズで日本の音楽史に旋風を巻き起こした。05年には日本武道館でのワンマンライブを、07年には横浜アリーナ公演をかつてないほどのスケールで大成功させる。また数々のフェスのステージにも登場するなど、アンダーグラウンドからオーバーグラウンドまで、縦横無尽な活動で、日本の音楽シーンに新たな風を吹き込んだ。

08年、41組とのコラボレーションを実現した“Loves”シリーズに終止符を打ち、新たな可能性を求め、プロデュースやリミックス、DJ、また自身のブランドや別ユニットなど個々の活動で活躍していた。

2017年、日本を代表する最強のトライポッド「m-flo」が15年振りにLISA・VERBAL・☆Taku Takahashiのオリジナルメンバーで完全復活!! 2018年は新曲リリースや楽曲プロデュース、“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”や“SUMMER SONIC”などの出演、テレビ番組出演など、多岐にわたって活動をしてきた。そして2019年。m-floはメジャーデビュー20周年を迎え、新たなアルバム『KYO』をリリース。再び日本のメインストリームに新風を吹き込む!

公式ホームページ


この記事が掲載されているカテゴリ



QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太