村上虹郎インタビュー|「欲望」を排除して「無欲」になるために

2020.1.29
村上虹郎

文=羽佐田瑶子 撮影=小見山峻
ヘアメイク=イケナガハルミ スタイリング=服部昌孝
〈衣装協力〉シャツ/WACKO


俳優・村上虹郎は、その貪欲な目で人々を魅了する。17歳でスクリーンデビューしてから今に至るまで芝居の世界に食らいついてきた彼は、今や同世代の俳優たちをリードする存在となった。

それもすべて、彼の「欲」が成しえたことなのではないかと思わずにはいられない。演じているときのみならず、取材のためふらりと楽屋に入ってきたときでさえ、村上虹郎は「なにかやってやろう」という気概に満ちた空気をまとっているのだ。

今回は、彼がもつそうした「欲」にフォーカスした取材を敢行した。まずは日々大切にしているという「食欲」をテーマに写真撮影。その後自身の「欲望」について話を聞いた。彼の魅力の神髄はどこにあるのか、そのまなざしと言葉からじっくりと読み取ってほしい。

※この記事は、『クイック・ジャパン』vol.140(2018年10月発売)に掲載されたインタビューを転載したものです。


食事は、スクリーンに立ったときにバレる

村上虹郎(以下、村上) これ、どうぞ。このチキン辛いけど美味しいですよ。

――ありがとうございます。ハンバーガーはお好きですか?

村上 好きです。だけど、直前にラーメン食べて来ちゃってお腹パンパン。美味しかったから食べられました。

――以前のインタビューで「まずいものを食べるくらいなら、空腹を我慢して、美味しいものを食べる」とおっしゃっていたのが印象的で。村上さんにとって「食べる」とはどういう存在ですか?

村上 食べるために生きているところはありますね。仕事と恋愛、同じくらい食事も大事。たまに友だちで「コンビニ飯でいい」みたいな人もいるけど、僕の場合は美味いものを食べるのが生きがいなんで、適当な飯屋で食べるくらいなら昼飯我慢して、夜に美味いものをガツッと食べたいです。

両親の影響は大きくて、両親とも外食好き・砂糖好きで体を壊したんですよね。それでマクロビに目覚めて、物心ついたころから家の食事は基本玄米と有機野菜。素材がいいものを食べなさい、って口うるさく言われたんで、おかげで体を冷やす食材とか水の種類とか、わかるようになっちゃいました。

でも、正しさと美味さは別ですからね。ハンバーガーもラーメンも食べたいときはあるし、そこはだいぶ親と格闘しました。カナダ留学で親がいないからって、がんがんポテチを食べてコーラを飲んでいたら、超太って肌荒れしてひどかったんです。そこから体質改善するのが大変で、痛い目に遭ってちょっと変わりました。だから自然と食事は気にしますね。

――俳優は身体づくりも仕事のひとつだと思いますが、「食べること」と「演じること」はつながっていますか?

村上 完全にリンクしてます。スクリーンに立ったときに、やっぱりバレるんです。その人がどんなものを食べて、どんな運動をしていて、なにをサボってなにを頑張っているか、見た目で生活が全部バレる。

すごいなって思う人のストイックさって具体的になにをしているのかわからなくても、感覚でわかるじゃないですか。やっぱり身体をつくっているのは食事、もっと言えば水なんで、砂糖を摂りすぎれば動きが鈍くなる。役作りなら食事制限もしますけどね。

最大公倍数の俳優を目指したい


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羽佐田瑶子

(はさだ・ようこ)1987年生まれ、執筆・編集。女性アイドルや映画などガールズカルチャーを中心に、インタビュー、コラムを執筆。主な媒体は『クイック・ジャパン』『She is』『BRUTUS』『TV Bros.』『CINRA』など。岡崎京子と女性アイドルなど、ロマンティックで力強いカルチャーや人が好き..

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