egg編集長・赤荻瞳 2020年代にギャルをやるための超リアル

2020.2.17

構成=いつか床子 編集=森田真規


90年代ドラマの金字塔『東京ラブストーリー』のリメイク版がFODで今春から配信される、というニュースが1月下旬に入ってきました。ギャルファッションにおいても、厚底やジーンズスカートなど90年代のトレンドアイテムが再び話題になっています。

伝説のギャル雑誌『egg』の創刊も1995年で、「コギャルブーム」が世間を席巻したのも90年代。現『egg』編集長の赤荻さんの目には、現在の90年代リバイバルがどう映っているのでしょうか?


新しいアイテムがたまたま「90年代」っぽい

たしかに、「去年あたりから90年代っぽいアイテムがギャルの間で流行っているのかな」と感じていました。色々やり尽くして流行が一周したイメージ。今年もEGOISTの新作でウエスタンブーツが出たんですけど、見た瞬間「懐かしいな」って思いました(笑)。厚底シューズも流行っていますし、モーニング娘。とか90年代のアイドルが当時着ていたような服を今の『egg』モデルが着ているのもよく見かけます。

あと、90年代ってよくデニムのスカート履いてる人がいましたよね。パンツ見えそうなくらい短いやつ。それと同じ形で内側にズボンが付いてるやつを最近モデルが履いているんです。「これパンツ見えないようになって新しい!」って思いました(笑)。それに、90年代はパレオも流行っていました。GYDAが冬に出した新作のアシメロングスカートはジーンズ地のパレオみたいな形をしていて、これもスナップで履いている子を見かけましたね。

そういうのって当時は古着ブームの影響で流行っていたと思うんですけど、今は新作として登場しています。それも90年代っぽくてレトロだから流行っているのではなく、新作をよく見たら「これ90年代リバイバルの進化版じゃん」って気付くみたいな感覚。実際に着ている子たちも、90年代がリバイバルしているっていう意識はないと思います。

リバイバルといえば、一般募集のスナップで安室ちゃんに寄せてくる子もいたりします。専属モデルの子でも、お母さんが安室ちゃん好きで自分も好きだから、安室ちゃんっぽい感じの着こなしをする子がいて。ミニスカートにロングブーツを合わせて、髪の毛ぴっちり1本に縛って、みたいな。

ギャルマインドの原点は『ご近所物語』

私は1996年生まれなので実際に90年代の流行を体感しているわけじゃないんですが、小学生のころからマンガが大好きで、特に矢沢あいさんの作品にハマっていました。『NANA』(2000年〜休載中)とかほんと好き過ぎてめっちゃ安いギター買ったぐらい(笑)。「90年代にはこんなファッションが流行っていたんだな」っていうのもそこから知って、「ヴィヴィアン(Vivienne Westwood)超カッコいい!」とか『NANA』に登場するブランドにいちいち憧れていました。

矢沢あいさんのマンガには90年代らしい奇抜なファッションもたくさん登場していました。『ご近所物語』(1995〜1997年)の主人公はギャルだとは描かれていないんですけど、どれだけ目立つファッションができるかってことを常に考えている子で、私はそこから「洋服って自分の好きなように着ていいんだ」っていうマインドを学びました。小学校高学年ぐらいになってから『egg』を読み始めて、あとから「あれはギャルマインドだったんだ!」って気づいたんです。だから90年代のマンガやファッションは、私がギャルになる原点のようなものですね。


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赤荻瞳

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赤荻 瞳

(あかおぎ・ひとみ)平成8年9月6日生まれ、25歳。埼玉県出身。高校1年のころから渋谷の高校生サークルで活動。高校中退後、平成27年に広告制作会社に入社。平成30年3月に『egg』をウェブで復刊させ、編集長に就任。現在は“渋谷女子インターナショナルスクール”という英会話、動画制作など、社会ですぐ使え..

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