困っています。全力で『ガルパン』を推すために私は何を為すべきか?「マライ・メントラインの勝手にお悩み相談室」

2021.12.9

同時に来られると非常に困る「ノーパンしゃぶしゃぶ」理論

……などと思っていたとき、夫に勧められた「もみあげ牧場」さんという、モデラー系WEB日記のある記事が目に留まりました。

ドラゴン 1/35 IV号戦車H型88mm自走砲

IV号戦車に88mm砲をそのまんま乗っけた物のようだ。
IV号戦車も88mm砲も大変格好良いのに、これはものすごく格好悪い。何故だろう。

恐らくこれはノーパンシャブシャブや女体盛りと同じような物なのではなかろうか。女体もお肉も大好きで別々に楽しむなら良いのだが、食べ物とエロが同時に来られると非常に困るという。

つまりノーパンシャブシャブが楽しめるようなガハハな性格の人ならこのIV号戦車+88mm砲も受け入れられるのかもしれない。

「もみあげ牧場」201008/29(日)の日記より
『プラッツ 1/35 第二次世界大戦 ドイツ軍 IV号戦車H型 8.8cm Flak36高射砲搭載自走砲 プラモデル DR6829』/プラッツ
『プラッツ 1/35 第二次世界大戦 ドイツ軍 IV号戦車H型 8.8cm Flak36高射砲搭載自走砲 プラモデル DR6829』/プラッツ

「IV号戦車H型 8.8cm 高射砲搭載自走砲」というのはこういうヤツで、瀕死状態になった最末期ナチスドイツが、「そのへんにあったブツをかき集めてこしらえた」ムリヤリ兵器です。でも重要なのはそこじゃない。ポイントは「ノーパンしゃぶしゃぶ」についての解釈で、これがなかなかツボです。ツボ過ぎます。そして気づいてしまったのです。

要するに、自分的に美少女も戦車も全然オッケーで別々ならよいのだが、同時に来られると非常に困るという、そんな現象のような気がするわけです。これはたとえば「寿司とコーラを一緒に嗜めるか」的な問題とたぶん同一平面上にあるでしょう。寿司+コーラの場合はどうか知らないけど、美少女+戦車について、たぶん昔は一緒にいけてしまう人が少数派だったのだろうけど、今は逆転しちゃったのね、という。

この「どうしようもなく少数派に成り果てた自分」を突如自覚することの衝撃と、そこから生じる諦念を見事に描き切った作品といえば、リチャード・マシスンの『地球最後の男』(早川書房)という傑作がありますね。ウィル・スミス主演の映画版『アイ・アム・レジェンド』は「消極的な結末は観客のウケが悪い」とかの理由で、いわゆるUSA万歳っぽい、もったいない結末に変更されちゃったけれど。

なお余談ながら、もみあげ牧場さんは『スター・ウォーズ』という天才的な模型作品を作っていて私はそれで知りました。ツイッターアカウントのトップ写真を見るだけでも只者でないことが一目瞭然でオススメです。

また、コスメティック田中の躍進などで今注目度が高まっている千葉県在住というあたりもポイント高いです。

ショートムービー「人工ユーチューバー製作所」

いっそニナ・ハーゲンばりにと何度思ったか

ちなみに、私が「美少女だけ」ならオッケーという話は意外に思う向きもあるかもしれないけど、実際、たとえば美少女アダルト恋愛シミュレーションゲームの傑作として名高いLeafの『WHITE ALBUM』にはかなりハマりました。エロ度が低いPS3版だけど、グラフィックがよいのです。

『WHITE ALBUM 綴られる冬の思い出』PS3/アクアプラス
『WHITE ALBUM 綴られる冬の思い出』PS3/アクアプラス

そして特に緒方理奈シナリオ、あの背徳的な切なさと得体の知れない充足感は凄い。生来の歌唱力と美貌のせいで、豊かな知性とクリエイティビティを持ちながらそれをまったく活かせない、むしろスポイルされるだけという状況に対しどう立ち回るか、どう彼女を救えるのか、という展開。気づいたからには動かねばなるまい。しかしプレイヤーの想像力と行動力は「リアルに」限られている……。

いっそニナ・ハーゲンばりに、「超実力派かぶき者」としてブレイクして強引に芸能界縛りを突破してよ緒方理奈!と何度思ったかわかりませんが、もしそうしたら単なるドイツ人になってしまい、結末の味わい深さと余韻がゼロになるからダメなのです。

えー、ニナ・ハーゲンが何者かをご存じない方は検索してみてください。先日のアンゲラ・メルケル首相の退任式を飾る音楽として、メルケル自身が、劇的な反体制アーティストだったニナ・ハーゲンの『Du hast den Farbfilm vergessen(カラーフィルムを忘れたのね)』を選曲したことが大きな話題になったので、ネットニュースでその特異な存在感を知った方もいらっしゃるかと思います。

薄謝進呈の準備あり

……ということで、やはり『ガルパン』&『艦これ』以外ならわりと無限に語れる気がするのです。嫌っているわけでもないのに。どうしよう? 萌えない理由っぽいものにたどり着いたのはいいけど、対応・克服可能なのか不可能なのかはわからない。克服不可能と決まったわけではない。というわけで、

冗談抜きで、どなたか、私が『ガルパン』好きになる道をご教示ください。

よき案をくださった方には薄謝進呈の準備あり。

で、ここでひとつ思いついた(または思い出した)のが、「『ガルパン』は、あらゆるドラマ要素のパロディから成立している」という、誰かから聞いたのか自分で思いついたのかも覚えていない定理めいたコトバです。

つまり、戦争ドラマのパロディであり学園ドラマのパロディであり、スポ根ドラマのパロディでもある。だから何よ?という気もしますが、前向きな意味と解釈が浮かび上がってきそうな気がしないでもない。このへん、単にまだ修行が足りていないのか私。

ということで、このへんをスッキリするアイデアを募集中です。何かよさげなのあれば、どうぞよろしくお願い致します。

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