10月31日に行われた衆議院議員総選挙は戦後3番目に低い投票率の下、発足したばかりの岸田文雄政権が(議席を減らしながら)与党単独過半数の議席を獲得、野党連合の成果は振るわなかった一方、日本維新の会の議席が増える結果となった。投票終了をめどに各局一斉に放送した「選挙特番」では、TBSのメインキャスターを務めた太田光の言動に激しいバッシングが巻き起こった。書評家・豊崎由美は、それでも「太田光は得がたい人物」と評し、ブラジルの小説『マクナイーマ つかみどころのない英雄』から「トリックスター」の存在意義を問う。
「痛いところにこそ切り込んでほしい」と念押ししていた
10月31日にTBSで放送された衆議院議員総選挙の開票特番『選挙の日2021 太田光と問う!私たちのミライ』における爆笑問題・太田光の発言の数々が大炎上。ツイッターを眺めわたせば、ただ怒っているだけではなく、「テレビ出禁にしてほしい」といった伝家の宝刀「キャンセルカルチャー」的脅し文句まで持ち出して義憤を露わにしておられる方を多々発見できる次第です。
しかしですね、この人を起用したらこうなることはわかっていたわけで、当然、局側はそれを承知で出演依頼したんでありましょうよ。実際、事前に放送された『news23』における出演者3名による鼎談企画でも、『ゴゴスマ』(共にTBS)のキャスターの石井亮次は「痛いところにこそ切り込んでほしい」と念押ししていたわけで、番組の総意として太田光には政治家相手でも忖度しない歯に衣着せないツッコミを期待していたはずです。
たしかに、落選した甘利明元幹事長に「ご愁傷さま」と発したのはあまりといえばあまりだし、持論を展開し過ぎて各議員との持ち時間が足りなくなり、せっかくの質問タイムが相手の回答時に強制終了してしまうなど、MCとしての役割をちゃんと果たしていたかといえば、そこは不十分でありましょう。
でも、「成長なくして分配なし」を掲げる岸田総理大臣に対し、「(日本における)成長って何なんですか」「成長できるんですか」と訊いたのはグッジョブです。まさに、わたしもそれが知りたい。最初「分配なくして成長なし」と言っていたのを、手のひらを返して「成長なくして分配なし」に変えてしまった総理に、わたしだって「分配してもらうために、われわれはどう成長すればいいのか、どこに成長の目があるのか、政府はどうやって成長を促そうとしているのか」を訊ねてみたいですよ。
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