困ったときのバイオ頼み
そんなジレンマを抱える私たちには、ある救世主がいました。
その名は『バイオハザード』です。

『バイオハザード』シリーズは、ホラーゲームのど真ん中でありながら「Z」版だけでなく、過激な表現を抑えた「CERO D」版もリリースされています。「D」であれば、深夜帯は扱うことができるのです。「D」と「Z」、ゲーム番組関係者にとってこの差はとても大きい。事実、『勇者ああああ』でも、何度『バイオハザード』にお世話になったかわかりません。
武器を一切使わない非暴力でミッション達成を目指す「ゲームガンジー選手権」、めちゃくちゃプレイしているのに、まるで初見のように振る舞う「予定調和ゲーム王」、ものまねタレントが大スターになりきってプレイする「世界一豪華なゲーム実況」(ほいけんたさんによる明石家さんまさんの『バイオハザード7』実況など)など、“困ったときのバイオ頼み”。とにかくお世話になりました。
余談ですが、その御礼といってはなんですが、私は『バイオハザード』は派生作品含めほぼすべてのタイトルを手にしていますし、特にお気に入りの『バイオハザード4』は、ゲームキューブにはじまり、PS2、PS3、PS4、Wii、スマホアプリ、Nintendo Switch、とリリースされるたびに買っています。武器商人の英語を「(この武器)ごっつレア~」と関西弁に空耳するくらい遊び倒し、また『バイオ4』を愛するアナウンサー鈴木史朗さんにシンパシーを感じ、複数の番組でその腕前を披露していただいたことも。いかに『バイオ4』が素晴らしい作品なのか、別の機会があればものごっつ語らせていただきたく存じます。
しかしながら、やりたいときにやらせてもらえる、そんな『バイオハザード』との都合のいい関係は長くはつづきませんでした。
番組が昇格し、放送時間帯が早まったことで「D」のゲームの扱いも慎重になったのです。厳密には時間帯が変わっても、やりようによっては扱えたのかもしれませんが、救世主が登場する前に番組のほうがバイオ的に言えばYou Are Dead、力尽きてしまいました。
長々とCEROについて語ってきましたが、CEROの存在に異論があるわけではありません。必要な制度だと考えます。また、昨今のテレビ局のガイドラインもゲームの扱いに限らず、ある程度厳しくなっているのは仕方のないことだと思います。
ただ、あるゲーム会社の人が、某ゲームのCERO判定を受験生の合格発表のように待ち、結果的に「CERO A」のお墨つきをもらって「よかった! これで子供たちをイベントに参加させられる」と胸をなで下ろした現場に居合わせたことがあります。地上波バラエティに限らずCEROのジャッジによって、運命が分かれるエンタテインメントはいろいろあるようです。
まったく関係ない話ですが、『勇者ああああ』終了後に担当したとある番組で、画面に映る芸人さん全員が真っ裸という最終回を迎えたことがあります。令和の時代に、これはアリなんだ、バラエティ的には「CERO D」なんだ、と思いました。
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