「わざとぶつかる」行為は“犯罪”だ
実際に、昨年JR蒲田駅で女性を狙いわざとぶつかった男が、暴行の容疑で逮捕された。若い女性を狙って体当たりを繰り返していたというこの犯人は、「わいせつ目的」だったという。
「被害を訴えられないようにやる方法」として「ぶつかること」を選んだというのだから極めて卑劣であり、改めて犯人に対して怒りが湧く。動機は何にせよ、「わざとぶつかる」行為が犯罪であることは広く認知されてほしい。
また、「わざとぶつかってくる人をやっていた」という元当事者による告白ブログを読んだ。
彼は30代の男性で、仕事でのストレスが重なり、鬱憤を晴らすように女性にぶつかるようになったという。お年寄りは大怪我や死亡につながると怖いので、若い女性やベビーカーを押している人を狙ったと記述しており、やはり確実に「相手を選んでいる」のだと思った。
ぶつかってくる人も、痴漢と同じように、大人しそうな人や小柄な人を狙っている。ブログの男はある日ぶつかった女性に追いかけられ、罵声を浴びせられたのがきっかけで一切やめたのだという。
「ぶつかってくる」男性は確かに脅威だが、蓋を開けてみれば自分の感情をうまく処理できないだけの小心者なのだ。
ぶつかってくる人の“心の闇“にも眼差す社会が必要
被害を減らすには、まず「わざとぶつかってくる人がいる」という事実を認知してもらうことが大切だと思う。混み合う駅構内ではぶつかることもあると思うが、正面を向いている者同士がぶつかるかたちで身体に触れるのは不自然だ。
当事者たちが「こんなことなんかで」と思わずに、身近な人でもいいから「こういうことがあって」と知らせるだけでも違うだろう。もちろん駅員さんに通報してもいい。
もし、自分の大切な人が駅で理不尽な暴力に晒されていたらどうだろうか。想像してみてほしい。大人しそうな人が、大人しくあってはならない瞬間もある。どんどん声を上げて、「してはいけないこと」を示してゆくのが大事だろう。もう黙ってはいられない。
何事も自分と無関係と思ってはいけないと思うと同時に、ぶつかってくる人の心の闇にも眼差す社会が必要だと感じた。憂うべきはなんだろうか。
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