子供のゲームを制限したら、明るい未来につながらない(川田十夢)

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文=川田十夢 編集=鈴木 梢


2019年に開発ユニット「AR三兄弟」としての活動が10周年を迎えた、(公私ともに)長男で開発者の川田十夢。AR(拡張現実)技術を駆使し、イベントやコンサートの演出、プロダクトの企画・設計などを手がけ、技術で多くの人々を魅了する世界をつくり出している。

川田が「ゲーム規制条例案」から、プログラミング教育の未来について考える。小学校でのプログラミング教育開始を目前に控えた今、明るい未来のために必要な知識と考え方とは。

ゲーム1日1時間、このルールって必要?

18歳未満の子供はコンピューターゲームの1日の使用時間を平日は60分までとする。休日は90分まで。香川県議会が条例制定を目指す素案として示した内容が物議を醸している。結論から言うと、親も子供も一切無視していい。このルールを遵守したところで誰からも褒められないし、明るい未来につながらない。

2020年度の春から採用される小学校の教科書には、プログラミング教育に関する内容が追加される。あらゆるゲームはプログラミングでできている。この基本的な事実を、ナンセンスなルールを制定したがる議会はどう捉えているのだろう。いい機会だ。教育関係者にも考えてほしい。ゲームに熱中している者にこそ、プログラミングの醍醐味を伝えるべきフェーズ。

2020年春から採用される小学校の教科書、プログラミング教育の実情について

普段、開発現場に身を置いているから如実に感じる。日本、いや、全世界的に、プログラマーが足りていない。政府もそれを察して、プログラミングを教育の現場に導入したいと考えた。さて、実情はどうだろう。都内に数件しかない教科書の問屋へ足を運んだ。

2020年春から配本される教科書に反映されるもので、そこに流通している教科書にはまだプログラミングの記述はなかった。だが、問屋さんに勤める人たちにヒアリングして、だいたい実情は掴んだ。ピックアップしておく。

1)『プログラミング』という独立した教科が爆誕するわけではない。
2)算数・理科・図画工作・家庭・外国語の教科書に追加される。
3)パソコンは使わない。プログラミング的な思考を学ぶことが目的。

1)2)に関しては、正しい選択。苦手な教科こそ、プログラミングを使って得意科目にできるかもしれない。そういう柔軟な方向へ、教師が誘えばよい。3)に関しては現状の教育予算、設備の問題で仕方がないとはいえ、少し残念。ここに、プログラミングの醍醐味とゲームの没入という隣り合う現実の断絶を感じる。では、どうすればよいのか。拡張現実的な答えをこれから示す。


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