第3位「パチンコ席取りじじい」
先程はWINSでの席取りの話だったが、こちらはパチンコ屋の席取りのお話。
パチンコでも席を立つ時には、台に何かを置いておかなければ他の人に取られてしまう。
なので、多くの人はパチンコ台の上皿に携帯電話や、煙草、フリスク、おばさんなんかはよく花柄のハンカチを置くのだ。
しかし、昔スロットがとんでもなく出た時代はタバコとかを置いていても、戻ったらパンチパーマの方が座っていて、
「そんなもん無かったし、あったとしてもそれが兄ちゃんのタバコっていう証拠あるんか?」
と言われ、枕を濡らし泣き寝入りした時期もあった。
そんな世紀末みたいな時代を強く生き抜いたのが、このパチンコ席取りじじいだ。
パンチパーマは非道の限りを尽くして、相手を選ばず、好き勝手やっていたが、席取りじじいだけには手を出さなかった。
いや、出せなかったのだ。
最初にこの席取りじじいのキープしてる台を見た時、僕は目を疑った。
エロ本で台をキープするおじさんや、野菜で台をキープしてるおばさんは見た事はあるが、こんな物で台をキープする人間を僕は見た事がない。
席取りじじいは自分の義足で台をキープするのだ。
一度だけ席取りじじいと話した事があるが、奴は言っていた。
「あいつらわしの台は取らんなぁ。言って欲しいけどな。
そんなもん無かったし、あったとしてもそれがあんたの義足っていう証拠はあるんか?
って。ガハハハ!」
台をキープしてケンケンでジュースを買いに行く、席取りじじいの背中は異常に大きく見えた。
我々もあの逞しさを見習わないといけない。
いよいよ第2位!
第2位「禁断の人体改造じじい」
僕が20年くらい前に行ってた京都の行きつけのパチンコ屋でのお話。
僕がよく行ってた店は2階で、朝階段の下に1列に並んで、9時50分になったら順番に階段をあがって入場していくシステムだった。
この店は、糞みたいな店なのだが、2、3台だけバカみたいに素人でも分かるくらい釘が開いたお宝台が置いてあるのだ。
なので、朝一が勝負なのである。
パチンコ台を1台1台見て、バカみたいな釘の台を見つけたら勝ち。
非常にシンプルだ。
なので、朝一いかに早くパチンコの島にたどり着けるかが全てなのだ。
最初はライバルも少なくて良かったのだが、光に虫が群がるように、おいしい話があるところには必ず糞が群がる。
ある日から噂を聞きつけた、糞の3人組のおじさんがやって来たのだ。
こいつらが姑息ったりゃありゃしない。
こいつらのやり口はこうだ。
とにかく早朝から並んで一番を死守する。
そして、9時50分になると糞作戦の開始だ。
3人組というのがミソである。
このパチンコの島に向かう階段は人がふたり通れるくらいの幅の階段なのだが、ひとり目とふたり目のおじさんは普通に階段をあがり、3人目のおじさんが階段のど真ん中を物凄くゆっくりあがるのだ。
山本太郎さんが国会でやったあれである。
これにより、ひとり目ふたり目のおじさんがお宝台を見つける時間を稼ぐ非常にアナログな糞作戦が完成する。
しかし誰も文句を言わないのだ。
これで我々が誰も台を取れなくなるならクレームものだが、この作戦には穴があって、3人目のおじさんがガリガリなので、そいつの脇を通ってもたいして時間のロスにならないので、いつも作戦は失敗に終わってたのである。
とんだ『ズッコケ三人組』だ。
しかし我々は奴等を嘗めていた。
奴等が作戦を実行し続け、半年くらいたって気付く。
あれ?これ日に日にあいつの横通りにくくなってない?
そう。毎日見ていたので気付かなかったが、確実に3人目のおじさんが太っていっていたのだ。
奴等は、パチンコを好き過ぎて禁断の人体改造に手を出したのである。
パチンコ屋が人体改造対策で、入場順を並び順から抽選に変えた日に、このおじさんが「折角太ったのに、そりゃないよ~」と言ってた顔が忘れられない。
さて、いよいよ来ました。糞みたいなおじさん第1位の発表!