合体ネタがさらにパワーアップ! トム・ブラウン『樹木希林』
今さら僕がトム・ブラウンの魅力を解説するのもアレですけど……。『M-1グランプリ2020』の2回戦でやっていたら『樹木希林』のネタは最高でしたね。合体ネタがさらにパワーアップしています。
トム・ブラウンのネタは全部そうなんですけど、まず「〇〇のつく有名人を集めると樹木希林さんが生えてくるんですよー」っていう最初の設定から破綻していますよね(笑)。ツッコミの布川さんもそこを否定しないから、冒頭からパラレルワールドに持っていかれる。ちゃんと観たら1個1個おかしいところだらけなんですよ。髪をかき上げる仕草で「木村拓哉です」って言われても「それ木村拓哉じゃないだろ」って思うじゃないですか。「林修でしょ」も省略し過ぎですし(笑)。
でも、そんな細かいところにツッコむ隙がないくらい全力で突き進んでいるのが最高なんですよね。普段よりもお客さんの数が少なくて笑いの量が減っていても、おふたりは売れてない時期が長くて苦労してるから、ハートが強いんじゃないでしょうか。
ふたり共、北海道出身で、布川さんはもともと札幌よしもとに所属していたんです。僕も18、19歳のころに北海道のSTVラジオでアルバイトしていて、当時ピン芸人だった布川さんと局内ですれ違ったこともありました。今は東京で一緒に仕事できる機会も増えて、ネタはサイコだけど中身はすごい優しいおふたりなので大好きな芸人さんです。
北海道って関西のようにお笑いの文化がないし、地元で売れていない先輩芸人もいないから、変な方向に突き進んで行く人が多いのかもしれません(笑)。テレビはチームナックスが席巻していて芸人さんの出る隙もないですしね。錦鯉の(長谷川)雅紀さんも元札幌よしもとですし、独自路線の芸人さんを輩出していますよね。
いい意味で“ソニーらしさ”が出ている。松下ひもの『日本昔ばなし』
この芸人さんは真空ジェシカの川北(茂澄)くんから教えてもらったんですけど、まったく意味がわからないところにハマってしまいました(笑)。SMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)所属の芸人さんらしいです。ソニーっていろんな芸人さんが解散したり組み直したり、下積みが長い芸人さんが多いイメージがありますよね。バンドでいうと怒髪天やピーズが持つかっこよさがあって、おふたり共、すごくいい意味で“ソニーらしさ”が出ている気がします。
昔話を今の流行に置き換える、っていうネタの構成はしっかりしているのに、ツッコミがめちゃくちゃな感じがおもしろいんですよ。最近だとぺこぱの「否定しないツッコミ」も話題になりましたけど、ツッコミのパターンってもう出尽くしたかな、と思っていたところに……「アバババ」って言いながらただ顔を挟むだけっていう(笑)。「いや、アバババじゃなくてちゃんとツッコんでよ」って観ているこっちがツッコみたくなるおもしろさがありますね。ネタ合わせのときに、「これでイケる」って思った度胸もすごいです(笑)。好きなことやってるんだろうなっていう感じがいいですよね。
賞レースのレベルがどんどん上がって、4分の尺で構成がしっかりした漫才っていうのが求められてくるなかで、こういうぶっ飛んだネタが出てくるとどハマりしちゃいます。
袖で芸人がゲラゲラ笑う。さんさんず『美容室』
トリオなのにひとりがボケで、ツッコミがふたりいるんですよ。せっかくツッコミがふたりいるのに、役割も分けず、まったく同じツッコミを同時に言うっていう(笑)。どういう話し合いでそういう役割分担になったのか気になります。
以前『マイナビ Laghter Night』に出ていただいたときは、とんでもなくウケてて。でも、ほかの芸人さんに聞いたら、∞ホールのライブではあんまりウケなくて、袖の芸人さんがゲラゲラ笑っているそうです。なんでなんですかね? 声がデカ過ぎてびっくりしちゃうんですかね?
もし今『あらびき団』(TBS)がやってたら東野(幸治)さんにハマったんじゃないかな、って勝手に思っていて。何かのきっかけで売れないかな……とずっと密かに期待しているんです。「何?」「何が?」って3人で言い合うくだりも、学校で流行ったりしないかなって(笑)。でも、それくらいのパワーは秘めていると思います。実は彼らも元札幌よしもとです。広大な大地で自由に育ったので、ネタも自由過ぎる感じになったのかもしれません。
地下芸人のカリスマ。虹の黄昏『ハイパーMAXXXブリブリこの夏にふさわしいおっかねえホラーアクション 悶絶カラオケレッスン』
関連記事
-
-
天才コント師、最強ツッコミ…芸人たちが“究極の問い”に答える「理想の相方とは?」<『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』特集>
Amazon Original『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』:PR -
「みんなで歌うとは?」大西亜玖璃と林鼓子が考える『ニジガク』のテーマと、『完結編 第1章』を観て感じたこと
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
「まさか自分がその一員になるなんて」鬼頭明里と田中ちえ美が明かす『ラブライブ!シリーズ』への憧れと、ニジガク『完結編』への今の想い
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
歌い手・吉乃が“否定”したかった言葉、「主導権は私にある」と語る理由
吉乃「ODD NUMBER」「なに笑ろとんねん」:PR