10月27日放送の『マツコの知らない世界』(TBS)で特集された「路線図の世界」に出演したライターで路線図エバンジェリストの井上マサキが、もっと知らない路線図の世界へと案内します。え、路線図って「脱皮」するの? 番組では放送しきれなかったエピソード、裏話もあり。
またひとつ、新たな路線図が生まれた
2021年春、JR東日本が一部路線の終電時刻を繰り上げる。対象となるのは首都圏の在来線17路線。高崎線と青梅線では最大37分繰り上げられるという。
10月21日にこのニュースが伝えられたとき、「新型コロナウイルスの影響で深夜帯の乗客が減っている」「保線作業の時間を確保し、作業員の働き方改革につなげる」といった解説があった。
……あったのだけど。僕はまっさきに「この世にまたひとつ、新たな路線図が生まれた」と思った。プレスリリースに掲載された、対象範囲を示す路線図を見て。
![JR東日本プレスリリースより](https://qjweb.jp/wp-content/uploads/2020/10/01-1-1024x791.jpg)
僕は路線図の鑑賞を趣味にしている。駅に掲出されていたり、車内に貼ってあったりする、あの路線図である。電車に乗っている間、ボーッと見ちゃうという人もいるでしょう。その「ボーッと」の出力が、ちょっと強火になっていると思ってもらえたらいい。
路線図が好きな理由はいろいろある。単純にデザインがかっこいいところ。わかりやすさへの工夫があるところ。作り手の意図がにじみ出ているところ。そしてもうひとつ。
路線図は「生き物である」ということ。
![『日本の路線図』宮田珠己 西村まさゆき 井上マサキ/三才ブックス/全国149社の公式路線図を掲載。2020年1月時点の路線図を「保護」した一冊](https://qjweb.jp/wp-content/uploads/2020/10/122673061_818325608964136_6196299894034890014_n.jpg)