ネット・職場の「謎ルール」と日本社会の同調圧力に呆れ果てた(中川淳一郎)

2020.9.22

「謎ルール」によって本来の自由さが失われていく

なぜ、このような言葉が誕生するのかといえば、あまりにも日本人が「礼儀」と「筋を通す」を重視し過ぎてきたからではないか、と考える。だからこそ「無断フォロー禁止」「無断リツイート禁止」という、意味不明な言葉さえ生まれてしまうのである。

ツイッターの機能としてフォローもリツイートも自由にできるのだから、「無断」もクソもないと思うのだが、違和感を持った人がこうした「謎ルール」を作り、本来自由だったはずのネットという空間を窮屈なものにしていくのである。

外国人とメールのやり取りをすると「お世話になります」なんてことは一切書かない。だが、仕事上で付き合いがある日本人同士であればこの言葉は「必須」だと考える人はかなり多い。

とはいっても「別にお世話になっていねぇよな」と本心では思っているわけなのに、作法としてこの一文を入れている。

日本社会の同調圧力にもう呆れ果てた

謝罪大国ニッポン
『謝罪大国ニッポン』/中川淳一郎/講談社

私自身、『プレジデントオンライン』で「私は緊急着陸を招いた『マスク拒否おじさん』にむしろエールを送りたい」という記事を執筆したが、これにはとんでもない量の批判が寄せられた。アクセス数も凄まじかったし、配信先の『Yahoo!ニュース』では約11000件のコメントがつき、ほぼ私とマスク拒否男性への批判。私個人のツイッターにも多数の批判が寄せられた。

もはや日本でコロナは大したウイルスではない。何しろ若者が死んでいないのだから。それなのに、マスク着用を猛烈に求める日本の「空気感」というものは、ネット上のよくわからん「謎ルール」につながるのである。

日本人は一生自主規制をし、互いに監視し合っておけよ、としか思えない。呆れ果てた。

この記事の画像(全4枚)




関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

関連記事

川後陽菜が綴る、SNSと誹謗中傷「こういうときこそ本性が出る」

米光一成ジャーナル

SNS断捨離で誹謗中傷クソリプ御託から心を守れ、ミュートは正義

nakagawajunichiro

『テラハ』木村花さん逝去「糾弾者に最高のツール」であるSNSはもうやめよう(中川淳一郎)

ツートライブ×アイロンヘッド

ツートライブ×アイロンヘッド「全力でぶつかりたいと思われる先輩に」変わらないファイトスタイルと先輩としての覚悟【よしもと漫才劇場10周年企画】

例えば炎×金魚番長

なにかとオーバーしがちな例えば炎×金魚番長が語る、尊敬とナメてる部分【よしもと漫才劇場10周年企画】

ミキ

ミキが見つけた一生かけて挑める芸「漫才だったら千鳥やかまいたちにも勝てる」【よしもと漫才劇場10周年企画】

よしもと芸人総勢50組が万博記念公園に集結!4時間半の『マンゲキ夏祭り2025』をレポート【よしもと漫才劇場10周年企画】

九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記

九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記「猛暑日のウルトラライトダウン」【前編】

九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記

九条ジョー舞台『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記「小さい傘の喩えがなくなるまで」【後編】

「“瞳の中のセンター”でありたい」SKE48西井美桜が明かす“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】

「悔しい気持ちはガソリン」「特徴的すぎるからこそ、個性」SKE48熊崎晴香&坂本真凛が語る“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】

「優しい姫」と「童顔だけど中身は大人」のふたり。SKE48野村実代&原 優寧の“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】

話題沸騰のにじさんじ発バーチャル・バンド「2時だとか」表紙解禁!『Quick Japan』60ページ徹底特集

TBSアナウンサー・田村真子の1stフォトエッセイ発売決定!「20代までの私の人生の記録」