SNS断捨離で誹謗中傷クソリプ御託から心を守れ、ミュートは正義


米光一成ジャーナル

文=米光一成 編集=アライユキコ


SNSは自分の好きに使っていい。心の中に16歳のピュアで繊細な妹を設定し、乱暴な言説から守る。「SNS断捨離」は、ゲーム作家・米光一成の生存戦略である。

SNSに浸かっているとゆっくりと死んでしまう

『大炎笑』というカードゲームを2017年に作った。頻繁に起こる炎上のあまりのひどさに気が滅入っていた。SNSリテラシーなしで若い人がSNS世界に突入する危険性も感じていた。

そこで、笑いながら対面で炎上の仕組みを体感するカードゲーム『大炎笑』を作ったのだ。いまではSNS教育のときに学校などで使われていたりする。
ちょうどそのころ本格的にSNS断捨離を始めた。「このままSNSに浸かっているとゆっくりと死んでしまう」と気づいたからだ。

カードゲーム『大炎笑』/大炎笑制作委員会

スマホのおかげでいつでもSNSを見ることができるようになった。ひどい発言や、誹謗中傷や、クソリプが混ざっている。愚痴、御託、差別発言が、SNSを通じて、日常に流れ込んでくる。本当に見たい情報、見るべき情報からかえって遠ざけられていく。
便所の落書きが目に飛び込んでくる日常を生きたくはない。だから、自分の生活を支えるメディアとして、SNSを整えよう。
SNSをスリムに育てようと決意した

まず基準を作った。16歳のピュアで繊細な妹を心の中に設定(97歳のおじいちゃんとか、各自で設定を考えるといいよ)。
自分が見ているSNSを、彼女も見ていると考える。彼女に見せたくないものは表示しないようにSNSを育てていくのだ。

ツイッターから断捨離した。ひどい発言をした人を外す。差別発言や罵倒する人はブロックだ。それ以外はミュート。ブロックすると、「あの人にブロックされた」とか愚痴る人がいてめんどうだから、気づかれにくいミュートがいい。
コツは、不愉快な発言を見つけたらすぐにミュートするクセをつけること。「この人は、いい書き込みもするからなー」と考え始めるとミュートできなくなる。「あとから気になったらミュート解除すればいいんだ」という気持ちでガンガンにミュートする。だいじょうぶ。情報洪水のこのご時世、なんだかんだいってよい情報はちゃんと回ってくる。気軽にたくさんミュートするといい。
ひどい記事を「ひどい記事だ」とリンクつきでツイートする人も即座にミュート。ひどい記事を読んで立腹する時間がもったいない。

ほんのちょっとしかない愚かな発言を拡大し一般化して反論する正義を振りかざしたい人もミュート。思考停止した道徳の先生がいいそうな当たり前の説教をする人もミュート。SNSを自分の雑誌だと考えて、そこに出てきてほしくない発言はすぐにミュートする。

ネット以外からも情報を得るようにすればいいだけだ

ツイッターにはワードミュートという機能がある。これが使える。
「見たくないキーワード」をあらかじめ指定することで、そのワードをふくむツイートを表示させない機能だ。
「設定とプライバシー」の中から「プライバシーとセキュリティ」をクリックしてミュート設定を選び、「ミュートするワード」にNGワードを追加するだけでOKだ。
まず罵倒語をNGワードにする。「アホ、バカ、信者、死ね、キモい、辞めろ、クソ、気持ち悪い」等。ちゃんとしたツイートも排除されるのではないかと心配になるかもしれないが気にしない。ネット以外からも情報を得るようにすればいいだけだ。
次に、嫌なツイートや無神経なツイートをする人がよく使うNGワードを設定する。「当然だよね、完膚なきまで、普通の、癒やされて、お里、一般人、うんざり、昭和臭、醜悪、老害」等。
ネット上では偏見に満ちた話題になりがちなワードもNGにする。「オリンピック」や政治家の名等。
ミュートすべき発言を見つけたときに、そこで使われているダメなワードをミュートワードに放り込もう。
ツイッターのよけいなお世話も防ぐことができる。たとえば、「~さんがいいねしました」を表示したくないときは、ミュートワードに「suggest_activity_tweet」を追加するといい。

さすがに仕事関連の人はミュートしないほうがいいかなと最初は思っていた。
だが、やってみると困らない。必要があれば、改めて本人のツイートを見ればいいだけだ。実際に会うとよい人でもSNS上では残念な人はけっこういる。

「ちょっとした時間にSNSをのぞかない」というルールも自分に課してみたが、これは長くつづかなかった。つい見てしまう。でも、そこからSNSを見つづける時間が圧倒的に短くなったために、トータルでSNSに使う時間が大きく減少した。
「あ、気づいたら1時間経っていた」なんてことがなくなった。
SNSに入り浸って情報を摂取していると勘違いしていたときのヤバさが今ではよくわかる。一刻も早く知るべき情報などほとんどない。しかも、SNSでそれを見つけるのはもはや至難の業、事実上不可能だ。

インフルエンサーさんが消えた


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