安倍首相“147連勤”発言から考える 本当の意味での「多様な働き方」(中川淳一郎)

2020.8.21

自らツッコミどころを作った麻生財務大臣

話は麻生氏の質問に戻るが、正直バカな質問である。「安倍氏のほうがお前よりもがんばってるんだよ!」と言いたいがために「147日」という数字を出した。この質問がバカな理由は「148日以上」働いたフリーの記者がその場にいたら完全に説得力を失うからである。

「首相の仕事と記者の仕事は重みが違うんだよ!」という反論には「いや、麻生さんは『147日』を論点にしているのでそこに答えたまでです」と言える。

若いうちに働きまくり、セミリタイアするという生き方もある

私の話に戻るが「年間364日働く働き方」とはどんなものか――。

実は慣れてしまえばどうってことない。

まったく苦痛でないのだ。何しろ、働けば働くほど経験が増し、それでいてギャラも手に入れられる。病気もなく高齢者でもないのだから仕事ができるときはガンガンやればいいじゃないか、という気持ちでフリーになってからの19年間、休みがほとんどない状態で働きつづけた。そしてこの14年は「364日労働」だ。

いや、会社員だったその前の4年間も「36協定」に抵触する可能性の残業はしていたから23年間、働き詰めだった。だが、途中から「若いうちにたくさん働いておけばさっさと仕事辞められるんじゃね?」という考えに至り、2020年8月31日、47歳でセミリタイアする、という決断をした。

『好きなように生きる下準備』中川淳一郎/ベストセラーズ

それがあと10日で実現される。147日どころか364日連続で働く生活をしてよかった、と今しみじみと思っている。こうした働き方も「多様性」じゃないの? フリーの身からすれば、法律に縛られなくて本当によかったと思っている。

この記事の画像(全2枚)




関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。