「写真リツイートは権利侵害」判決 裁判所は時代に取り残されていないか(中川淳一郎)

2020.7.29


今回の判決が社会にもたらす悪影響

私はネットニュースの編集者として多くの記事を編集しているが、使う画像については毎度頭を悩ませられる。結局フリー素材を使うことが増えてくるのだが、それは著作権者の権利侵害をしたくないからである。著作権意識と肖像権意識の低い一般人がツイッターでリツイートしたものにまで責任を負わせるのは若干の恐ろしさを感じてしまう。

正直「情報発信のプロ」であるメディアの公式IDであれば、リツイートにも慎重になるべきだとは思うが、一般人にそこまで求めていいのやら。ネットは今後も長きにわたって使われるだろうから、今の段階で明確なルールを作っておいたほうがいい、という考えはわかる。ただ、今の時期にネットのことを本当に理解しているかどうかわからぬ裁判官により判例が作られた場合、長いスパンで考えたら、社会的にはデメリットのほうが多くなってしまうのでは、とも考えるのだ。

鎌田ジャーナル0606

今回、開示請求の対象となった3人は、「もうツイッターなんて恐ろしくてやれない」と思ったことだろう。著名人を含めた他人の誹謗中傷をネットに書きつづけた者が身元を特定され「軽い気持ちだった」と許しを請うのは「お前が悪いことをしたんだから罪を償え」とは思うものの、今回の判決には違和感しかない。

今後、ネット関連の裁判はますます増えていくことが予想される。「ネットの誹謗中傷関連に詳しい弁護士の○○氏」といった存在は多数登場しており、弁護士にはネットに造詣の深い人材が続々登場している。果たして裁判官がそのレベルに至っているのか? 今後もネット関連裁判の行く末については注視していきたい。


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中川淳一郎

(なかがわ・じゅんいちろう)ネットニュース編集者。1973年東京都出身。1997年博報堂入社、CC局(現PR戦略局)配属。2001年退社。以後無職、ライター、雑誌編集者などを経て現在はウェブメディア中心の編集者に。ひたすらネット上の珍騒動や事件を毎日テキストファイルに記録する生活を長年つづけている。

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