昭恵夫人「花見」スクープの内幕と「パーナさん」(中川淳一郎)

2020.4.1


意外な方向から押し寄せた批判

そして、今回の件では斜め上からの批判が来た。それは写真に写っていたNEWS手越祐也についてである。NEWSのファンがこの写真を捏造扱いしたのである。

・この髪形も髪の色も最近の手越ではない

・いま、顔はこんなにむくんでいない

・これは外国人がいたところに手越の過去の写真を被せた合成写真である

まさに「私はこれだけ手越に詳しいの!」という自慢合戦のようになり、これがいつの間にかNEWSファンの間では既成事実化され、『NEWSポストセブン』はフェイクを垂れ流したとされ、編集部への問い合わせフォームにも手越ファンからのクレームが多数寄せられた

中には「手越…コンサート中止になってんのに何やってんだよ…。遊びたいのはわかるけど自粛してほしい」といったまともなことを書くファンもいたが、我々へのバッシングも多数書き込まれた。

それはそれで構わないのだが、あのな、手越およびNEWSのファンに言いたいのは、別に今回手越があの場にいたことをほとんどの人は問題視していないのだ。あくまでもいくつもの問題が重なっているなか、「首相夫人」が能天気に遊んでいることを問題視しているのだ。

それなのに、手越ファンというかパーナさん(NEWSファンの俗称)は、手越があたかも悪事に加担したかのような捏造をされたと激怒or心配し、なんとかこの写真がフェイクである証拠を見つけようとする。

小学館とジャニーズ事務所の関係

だが、そんな証拠を見つけようとしても無理なのだ。私はこの写真のモザイクがかかっていないものを見ているが、手越ははっきりと写っている。
若干、手越や藤井リナの顔が通常とは異なるように見えるかもしれないが、スマホのカメラアプリの加工が施されているためである。モザイクがかかっていない状態を見るとわかるのだが、夜でも顔がクッキリと写るようにしているため、若干人間だけが浮かび上がるようになっている。また、ライティングによっても雰囲気は変わるものだ。

そもそも今回の写真を入手した小学館ジャニーズ事務所は良好な関係があるだけに、別に手越を貶めようという意図はない
合成写真をわざわざ作って本当にフェイク写真にするリスクを犯すなどただのバカである。そして、そこにいた芸能人は別に手越でなくてもいい。
あくまでも昭恵氏のこの軽はずみな行動への呆れを記事化したのである。手越と藤井以外にモザイクがかかっているのは一般人だからだ。それなのに一部のパーナさんが大騒ぎし、フェイクニュース扱いしようとした。

昭恵氏の「花見」写真が掲載されている週刊ポスト4月10日号

安倍親衛隊は無理筋な昭恵氏擁護をし、パーナさんは問題視されていない手越の存在を勝手に問題視して、「報道自体が嘘」という方向に持っていこうとした。だが、手越があの場にいたのは事実なのだ。

「合成だ」と言うのであれば、合成前の写真を週刊ポスト編集部まで送ってほしい。そもそも安倍首相が、昭恵氏がこの会合に参加したことを認めているではないか。安倍首相が争点としたのは「公園ではなくレストランでの会合であり、花見ではない」という点だった。「手越がいたかどうか」はまったく問題ではないのだ。


7年前にもネットを騒がせた「パーナさん事件」

そもそもパーナさんには過去にも“やらかし”がある。ツイッターのまとめサイトTogetterの「パーナさんが魔都TOKYOで大変らしい」にその顛末が書かれているが、無茶苦茶である。
Wikipediaにも「パーナさん事件」として詳しく書かれている。

2013年7月27日、東京の秩父宮ラグビー場で開催される予定だったNEWSのライブが豪雨のため翌日に順延された。若いファンが多く、ライブ後は宿泊せず日帰りをしようと宿を予約していない人が多かったことから、宿泊難民や体調不良者が相次いだ。そんなとき、パーナさんを襲おうとする人間が大勢登場、など多くのデマが広まったのだ。

パーナさんと思しきユーザーたちがツイッターで連携し、休める場所情報を提供したり、コンビニには無料で食事を提供するよう要求した。さらには歌舞伎町で拉致被害者が出たことや、金髪の男がワゴン車でパーナさんを連れ去ろうとしている、といった情報も。

「【緊急速報】「パーナ狩り」と書かれたハチマキを装備した2メートルの大男が東京へ徒歩で向かっています!気をつけてください!」というツイートまで登場するほか、善意の男性がパーナさんを安全な場所に確保した、と次々報告するなどもした。こいつはパーナさんから感謝をされる様子が楽しくてたまらなかった釣り師だと私は見ている。

結局その日、パーナさん関連のレイプ被害やら誘拐事件は一切報じられなかったわけで、完全に一体感を求めるような興奮があったと思われる。7月27日と28日を「ジャニーズ心の日」にしよう、といった提案もあった。

今回もそんなパーナさんが大暴れしたわけだが、7年前のあの騒動を注意深く見ていた身としては「変わってないなぁ……」という感想しか出なかった。それにしても、藤井リナの応援団はなぜ出なかったのだろうか。

この記事を気に入った方はサポートをお願いします。次回の記事作成に活用いたします。

この記事が掲載されているカテゴリ



Written by

中川淳一郎

(なかがわ・じゅんいちろう)ネットニュース編集者。1973年東京都出身。1997年博報堂入社、CC局(現PR戦略局)配属。2001年退社。以後無職、ライター、雑誌編集者などを経て現在はウェブメディア中心の編集者に。ひたすらネット上の珍騒動や事件を毎日テキストファイルに記録する生活を長年つづけている。

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太